というタイトルで書き始めたは良いものの、あまりに暑すぎてそれどころではなく、結局帰宅して、寝て、起きて、涼しい自宅でこれを書いている。本当に暑くて死ぬかと思った。死なずに還って来れただけでも素晴らしい。参加したみなさま、お疲れさまでした。
コミケに初めて参加したのは、たしか2022年の年末。夏にリリースした1作目の恋愛ゲーム『さくらいろプリズム』を売った記憶がある。同時に、続編となる『さくらいろテトラプリズム』のアナウンスもした。
お客として行きたいと思ったことは今まで一度もなかった。いわゆるオタク的なものへの興味がない。それは今も同じ。映画が好きで、高校、大学くらいからはずっと映画を観ていた。インプットするメディアの9割以上は映画である。最近は忙しくてあまり見れていない。インプットが極端に減っている。
とはいえ、インプットが少ないことへの危機感というか、焦りみたいなものはあまりない。なんというか、言葉が難しいのだけれど、創作に対する健全な距離感、みたいな意識が、ここ数年、自分の中に形成されつつある。その前まで、20代の前半くらいまでは、いろんなものに振り回されていた。映画好きならこれは観て当たり前、このアニメくらいは知っておかないと、など。実際、ある程度は理に適っていると思う。しかし、興味がないものはやはり興味がない。興味がゼロではないけれど、もっと大事なものがほかにあるから、どうしても優先順位が下がってしまう。
それでいいんだ、と思えるようになったのはつい最近のこと。いや、今もそこまでは吹っ切れていない。まだ、いろんなもやもやがある。時間があるときにプレイします!と言って遊べていないゲームは山ほどある。まあ、本当に時間がないのが原因ではあるのだけれど。そういう状況について、後ろめたさを感じることが少なくなってきた。
極端な言い方をすれば、いつ死んでも後悔しないような人生を、現在進行形で送れているのだと思う。やり残したことが山ほどあるから、いま死ぬわけにはいかないのだけれど、気持ちとしては、ってこと。ある意味で、今までの人生で最も精神が安定している。
これからの人生は、もっと面白くなっていくのだろうな、という予感がある。多少は自然体でいられるようになった。純粋な気持ちでコミケに行けるようになった。オタクじゃないのに、炎天下の東京ビッグサイトを囲む長蛇の列に並ぶことに対する、自分なりの理屈が出来上がってきた、という書き方はちょっと大袈裟すぎるかな。死にそうな経験をすると、どうも思考が大きくなってしまいがちだ。でも、これで良い。とにかく、くたくたで、幸せで、そんな心地である。