みんなすごいなあって思う

池田大輝
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公開:2026/1/30

タイトルのとおり。みんなすごい。Xのおすすめ欄を見ていると、すごい人ばかり目に入る。みんな頑張っている。みんな夢を叶えている。みんな顔が良い。みんなチヤホヤされている。その裏で、みんな必死に努力して、涙を流して、それでも、そんな姿は表に出さず、みんな明るく振る舞っている。本当にすごい。

それが都合よく切り取られたひとつの側面でしかないことは理解している。すごいもので溢れるように、ソーシャルメディアはできている。そんなことはわかっている。そんなことを言われたところで、この感情を捨て去ることは難しい。

あるいは、少し視点を変えてみると、私もそのように思われている可能性について検討することもできなくはない。果たして私はすごいのだろうか? 毎日エッセィを書いていることは、私にとってはすごくない。多少、頑張ってはいるけれど、それでも、せいぜい毎日30分くらい。この30分で、料理をする人もいれば、アニメを見る人もいれば、お酒を飲む人もいるだろう。それと同じ。

すごいところがあるとすれば、毎日続けていることだろうか。このようなエッセィをとりあえず書いてみることは、誰でもできる。毎日続けるとなると、多少の努力は必要かもしれない。日記やブログを書いている人をときどき見かけるけれど、毎日続けている人はほとんど知らない。続けるという意味では、創作活動もそれなりに続いている。中学生くらいの頃から映画を撮り始めて、今はゲームがメインだけれど、創作の軸はあまり変わっていない。むしろ、ゲーム業界に触れたことで、視野が広がったと思う。創作を辞めようとか続けようとか考えたことはない。気がついたら、日々エッセィを書き、シナリオを書き、イラストを描き、プログラムを書き、アニメをつくり。そんな人生になっていた。

これがすごいかどうかはわからない。すごさを判定する必要も、自慢する必要もない。ということに、発信する側になって初めて気がつく。エッセィを毎日書いているのは、案外、それが理由かもしれない。すごいなあと思うだけの人生は嫌だ。それは、すごいと思われたいという意味ではない。すごいかどうかは、少なくとも私にとってはどうでも良い。すごいなあと思う人に、少しでも近づきたいのだ。一方的に見上げるのではなく、もう少し近くで見てみたいのだ。そこから見える風景を、私も眺めてみたいのだ。これは、旅行に行きたいと思うのに似ている。きれいな写真では満足できない。実際にそこに行ってみて、空気を吸って、息を吐いて、まあ、こんなもんか、と思う。あれが、たまらなく好きなのだ。

@radish2951
恋愛ゲーム作家。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink