嫌われないか、びくびくしている

池田大輝
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公開:2026/5/12

日々エッセィを書いていると、ああ、これを読んで嫌な気持ちになる人もいるだろうな、と思う内容も書かなければならないことがある。そんなの書かなきゃいいじゃん、と思われるかもしれないけれど、八方美人ではエッセィなんて書けない。ネタが枯渇してしまう。だから、嫌われるのを承知で毎日エッセィを書き続けている。

それは、嫌われる覚悟があるのとは違う。覚悟なんてない。ラディカルなタイトルのエッセィを投稿するときは、フォロワーが減らないかいつも怯えている。「くだらないエッセィを書いている暇があったら、とっとと新作ゲームを出せよ」という内なる声に震えている。「結婚に興味ないとか言いながら、必死なのが見え透いてキモい」と、ハイライトの消えた目で罵られる妄想をしている。そういう性癖ではない。

好かれることを諦めている、とはいえるかもしれない。日々やっていることのうち、誰かに好かれることを目的にやっていることはほとんどない。ただ、これが正しいのかはわからない。少しは好かれるくらいがちょうどいい気もする。セルフネグレクトのような状態になり、極端に自信を失うことは、得てして他人を傷つけがちである。

他人の目を気にするなと言っておきながら、誰よりも他人の目を気にしている。気にしたうえで、あえて嫌われに行っているという意味では、変態的ですらあると思う。別に、そういう欲求をぶちまけているわけではないけれど。一般に、こういうのは自意識過剰と呼ばれる。ほとんどの人は私のことを嫌っていないし、変態だとも思っていない。そもそも普通の人はこんなエッセィなんて読まない。どちらかといえば、ここまで読んだあなたのほうが変態的であるといえる。

冗談はさておき。『嫌われる勇気』という本があっただろう。嫌われる勇気なんて私にはない。嫌われてもいいだなんて思っていない。できることなら好かれたい。けれど、そうやって優等生ぶって、八方美人に振る舞ったせいで、痛い目を見たことが何度もある。そういうのに懲りたから、少しでも生きやすくするために、たとえばエッセィという形で私を知ってもらおうと努力しているのだ。

そういえば、嫌われる妄想はいつもしているけれど、好かれる妄想は滅多にしない。日々書いているエッセィを読んで、私のことを好きになる人がいる可能性をついこの瞬間まで想像したことはなかった。そんな人、いるのだろうか? 万が一あなたがそのように物好きな人間である場合を想定して書くと、ここに書いてあることを真に受けないほうが良い。実はいま、ラフな部屋着を着た彼女が濡れた髪をバスタオルで拭きながら「ねーえ、今日も書いてるの、ブログ。じゃなかった。エッセィ。てかまって、『好かれる妄想は滅多にしない』だって。え、あたしは大輝くんのこと好きだけど。あたしの気持ちはどうでもいいってこと? うわーん! ひどい! もう知らない!」とベッドに転がり、「え、てかさ、あたしのこと書いてないよね? 別に……いいけど。いや、書いちゃダメっていうか……名前出さなければいいよ。名前出すと、ほら……あれじゃん。そういうのは、んー、もっとちゃんとしてからにしよ。ふふん。ねえ、可愛い彼女が大輝くんがエッセィを書き終わるのを子猫のように待ってます、って書いてよ。え、もう書いた!? 〜〜〜っ!!!」と身悶えている可能性はゼロではない。

@radish2951
恋愛ゲームをつくっています。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink