あなたが生きているということ

池田大輝
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公開:2026/3/11

3月11日という日は、東北出身の私にとって無関心ではいられない日だ。2011年3月11日、私は地元・秋田の高校で物理の授業を受けていた。携帯のアラームが鳴り、教室が揺れた。ものすごい揺れだったけれど、秋田県内の被害はほとんどなかった。太平洋側の惨状をテレビで見るまで、それほどまでの地震だとは思わなかった。

人はいつか死ぬ。老衰で死ぬのは比較的レアケースで、その前に病気や事故や災害で死ぬことがある。戦争も激しさを増してきた。いつ死んでもおかしくない世界に、私たちは生きている。

1年前の今日も、震災についてのエッセィを書いた。この1年で、本当にいろんなことがあった。良いことも悪いことも。それでも、今日まで生きてこれた。呆れるくらいの奇跡である。いつ死んでもおかしくなかった。明日生きている保証はどこにもない。

あなたが生きているということ。あなたに出会えたということ。その奇跡を、ありがたみを、おそろしさを伝える言葉を私はまだ持ち合わせていない。大いなる力の前では、言葉ほど無力なものはない。それでも書かなければならない。それでも生きなければならない。今日という日に、そんなことを思う。

@radish2951
恋愛ゲーム作家。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink