プロのプライド

池田大輝
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公開:2026/6/18

プロとは、お金をいただいて仕事をする人のことであって、たとえばコンビニバイトはコンビニのプロである。プロであることを誇りに思うかどうかは各々の自由だ。自立して働いている大人のほとんどはなんらかのプロだけれど、居酒屋なんかで耳に入る会話を聞く限り、仕事に誇りを持っている人は少数派のようである。みんな仕事や同僚の愚痴を言っている。誇りがあれば、愚痴なんて言わないだろう。あるいは、誇りがあるからこそ周囲の不出来を愚痴らずにはいられないのか?

プロになりたい人は多い。プロになるための専門学校やスクールの類がこの世界には無数に存在する。それくらい仕事をしたい人が多いのだ。私は、できれば仕事はしたくない。何もせずにお金を稼げるに越したことはない。そう簡単にはいかないから、仕方なく仕事をしている。

やりたいことがあるとして、仕事としてやる必要は必ずしもない。海外旅行が好きならば、船乗りになるよりも、稼げる仕事に就いて、休暇で旅行に行くほうが良いだろう。医者などの専門職は、仕事でなければなることができない。そのような職業は多くはない。イラストレーターになりたいのなら、絵を描けば良い。映画監督になりたいのなら、映画を撮ってYouTubeで公開すれば良い。アイドルになりたいのなら、配信で歌って踊れば良い。

そういうことじゃない、と言いたい気持ちはわかる。プロとは承認の別名ともいえる。需要があるから仕事になるのであって、つまり、誰かがあなたをプロとして認めたという事実にこそプロとしての価値がある、と。一人で仕事はできないのだ。

このように考えてみると、承認欲求とプライドは全く別物であることがわかる。承認欲求は、他人がいなければ決して満たされることはない。対して、プライドは自分の中だけにとどめておくことができる。長らく勤めた仕事を定年退職した結果、抜け殻のようになってしまった人の話をよく耳にする。他人との関係がすっかり消え、何を楽しめば良いかわからなくなるのだそう。他人に支えてもらうことと、他人の人生を生きることは違う。仕事をしていると、そんなことさえ忘れてしまいそうになる。

@radish2951
恋愛ゲームをつくっています。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink