同人ゲームとはなにか? 『ドキドキ文芸部!』や『UNDERTALE』は同人ゲームなのか? 法人でありながら同人ゲームサークルを名乗っているところもある。じゃあ、日本ファルコムも同人サークル? コジマプロダクションは? 任天堂は?
文字通り読めば、共通の趣味や好みを持つ人たちが集まってなにかをする営み、と解釈できる。シンプルに「趣味」と言わないのはなぜだろう? 同人野球とか同人ゴルフとは言わないだろうし、なぜ創作においてのみ同人という言葉が存在するのか、よくわからない。そういえば、映画においても同人とは言わない。インディーズとか、自主制作という言い方をする。ずっと映画をやってきた人間なので、同人という言葉には馴染みがないのだ。
少なくとも、自分の創作においては「共通の趣味や好みを持つ人」を集めているつもりはない。基本的にはプロに参加していただいているし、趣味のつもりでつくっていない。ゲームが好きでゲームをつくっているわけではない。
コミケやコミティアは、同人的な場であると理解している。何度か参加したことがあって、ファンと交流できるとか、多少、新規のお客さんを呼び込めるといったメリットはあった。しかし、同人というものをよく理解しないまま参加してしまったせいか、なんとなく、居心地の悪さを感じていて、ここ数年は距離を置いている。
ファンとの交流イベントはぜひやりたい。やるとしたら、単独ライブのような形が望ましい。箱を借りて、チケット制にする。内容はなんでもいいけれど、ゲストを呼びたい。同じ趣味ではなく、むしろ全く異なるジャンルの人を呼びたい。そのほうが楽しそうだから。
このような姿勢は、同人とは真逆にあるものかもしれない。そのほうが居心地が良いので、仕方がない。人と同じにはなれないから、創作をしている人間です。