「許可を求めるより謝罪せよ」(It's easier to ask for forgiveness than permission)という言葉があるらしい。Grace Hopperというコンピュータ科学者によってよく使われていたという(ソースはChatGPT)。
なかなか良い言葉だと思う。というのも、これまでの人生で「怒られないこと」を大事にしすぎていた感が否めないからだ。
少なくとも高校生までは優等生だった。先生の言う事をよく聞き、ルールもしっかり守る。怒られたことは数えるほどしかない。怒られることは恥ずべきこと、避けるべきことだと刷り込まれてきた。
ところが、大人になると、怒られないことがむしろマイナスではないかと思うことが増えてきた。怒られたくないから余計なことを言わない。余計なことをしない。怒られたくないから、できそうにないことも「できます」と言って無理をしてキャパオーバーになる。結果、怒られる。そんなことを何度も経験してきた。
たぶん、積極的に怒られに行くくらいがちょうどいいのだと思う。もちろん、あえて迷惑をかけろと言っているわけではない。あまり迷惑にならなそうなことであれば許可をもらう前にとりあえずやってみて、ちょっと怒られて、謝罪する。怒られることを極端に避けて何も行動を起こせないよりもマシだと思う。というか、怒られることを避けていると、こちらの意志を明確に伝えきれないという大きなデメリットがある。怒られるということは、少なくともこちらの意志が相手に伝わったことの証左になる。言わずに抱え込むよりも、言ってしまったほうが解決に繋がりやすいともいえる。
個人的には、これを「怒られ駆動開発」と名付けたい。ちょっと怒られそうなことをやってみて、ちょっと怒られて、謝罪する。結果、それなりに前進している。悪くはないと思う。
ところで、私は有名人のインタビューやWikipediaを見るのが好きだが、名が売れている人の中には、過去にとんでもないことをやらかしている人が少なくない。「怒られる」とかいうレベルではない。それに比べれば、ちょっと怒られるくらい、可愛いものに思える。