岡田准一さんの個人事務所「AISTON」のウェブサイトをたまたま見かけた。その中にオーディションのページがあって、見ると、俳優のみならず、クリエイターやアーティストも募集しているという。
なぜこの話を書いたかというと、いずれは私もスタジオを立ち上げたいと思っているからだ。今は個人チームのような形でゲームをつくっているけれど、一人でやっていくつもりは最初からないし、ゲームに閉じるつもりもない。やりたいことは無数にあり、それを実現するためには、一人でやっていくわけにはいかない。
とはいえ、どのようにチームをつくっていけば良いのか、具体的なイメージはまだない。高校生の頃は映画を撮りたくて、映画サークルを友人と一緒に立ち上げた。後輩も入って、それなりの大所帯になった。ただ、高校時代と今とでは勝手が違う。大人はみんな忙しい。チームに誘うにも、それなりのメリットを提示しなければならない。どのような人を招き入れるかもある。誰でもいいわけじゃない。誰と、どんなチームをつくるのか、ゼロから考える必要がある。
そう思ったときに、AISTONのコンセプトは面白いなと思った。サイトには「共にクリエイティブに向き合いたい方で、俳優、アーティスト、クリエイターなどジャンルを問わず」募集している、とある。つまり、ジャンルを超えた創作チームである、ということ。これは素晴らしいと思った。
たとえば、ゲーム会社に所属しているのは、プログラマやプランナーやイラストレーターやディレクターだ。みんな、ゲーム制作に関わっている。けれど、キャラクターに声を吹き込む声優がゲーム会社に所属することはあまりない。声優が所属しているのは声優事務所である。特定の会社のゲームだけに出演するような人はほとんどいないだろうから、そのようになっているのだと思う。
芸能人はタレントと呼ばれたりするけれど、考えてみると、ゲーム会社の社員だって立派なタレントである。タレントは、英語で才能という意味だ。いろんなジャンルの才能が集まってゲームをつくっているのがゲーム会社である。『デス・ストランディング』のように生身の俳優が出演しているゲームは、その境界が曖昧になっているように見える。
私もそんなチームをつくりたい。いろんなタレントが有機的に混ざり合う場所。人数はあまり増やさない。せいぜい5人とか、それくらい。そのぶん、各々のメンバーには、いろんなことをやってもらう。いろんなことをやってもらうけれど、本人はいろんなことをやっているつもりはないだろう。そのような人にぜひ来てほしい。ただし、オーディションはやらないと思う。入ってほしいと思った人に、私が声をかけにいく。どうやら私にはその才能がある、らしい。