ホラーがあまりにも苦手

池田大輝
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公開:2025/12/1

映画でもゲームでも、ホラー系の作品を鑑賞(プレイ)すると、お風呂に入れなくなってしまう。トイレにも行けなくなるし、顔も迂闊に洗えなくなる。要するに、生活に大変な支障が出る。ものによるけれど、だいたいこれが半年は続く。というわけで、ホラーを観ることはあまりない。生活できなくなるからだ。

でも、名作と呼ばれる作品の中には、ホラーが少なくない。勇気を振り絞って観たホラー映画が、振り返ればたしかに面白かったなあと思うことは多い。ホラーはエンタメをつくる上で教科書的な教材になる。笑いと恐怖は紙一重と言うけれど、これらは、お客さんの感情を巧みに誘導しなければ成立しないという点でよく似ている。だから、本当ならもっとホラーを観て学ぶべきなのだろうけれど、上述の都合で観れないから、結果的にお笑いを観ることが私は多い。

まあ、昔よりかは多少、耐性がついてきた気はする。『ミッドサマー』とか『サブスタンス』といった、比較的エグめ(と思われる)作品をなんだかんだ観ている。だから、大丈夫かな、と思わなくもないけれど、しかし、有識者によれば、これらはまだ序の口であって、本当にヤバいホラーはこれらの比ではないらしい。そんなものを観て大丈夫なのだろうか。生きて帰れるのだろうか。もう、真っ当な人生を歩めなくなるのではないか。想像するだけで恐ろしい。でも、世の中には、そういう映画を、なんの感情も持たずに笑って観る人がいるらしい。本当に信じられない。ゾンビとか、モンスターとか、そういう系は割といける。だめなのは、人間が怖いホラー、いわゆるヒトコワだ。ゾンビもモンスターもこの世界にはいないけれど、怖い人間は意外といる。ということを丁寧に教えてくれるホラー映画が、この世で一番恐ろしい。

@radish2951
恋愛ゲーム作家。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink