2025年に入ってから、ここ「しずかなインターネット」に毎日エッセィ（あえて小文字）を書いている。毎日書いているのにはいくつか理由があるけれど、そのひとつとして、単純接触効果を狙っている、という文章を以前書いた。毎日書き続けると、目に留まる。別にちゃんと読まなくても良い。なんとなく、毎日一緒にいるような気になってくれることが重要だ。一度も会ったことがないのに、池田大輝という人間が気になって夜も眠れなくなる。そうやって、私の（無意識の）ファンを増やそうという試みである。
もちろん、一朝一夕にはいかず、とりあえずは3年くらい書き続けなければならない、と思っていたのだけれど、どうやら、半年ちょっとにして、単純接触効果の効果が出始めているらしい。
たいへんありがたい話である。そもそも、こんなものを書いたところで誰も読まないだろうと思っていた。というか、本当はエッセィなど書いている場合ではなく、もっと大急ぎでやらなければならないことがたくさんある。一応、言い訳をさせていただくと、このエッセィは毎日30分くらいの空き時間を見つけて、片手間で書いている。電車の移動中とか、あるいは、ほかの作業の休憩がてらに書くことが多い。長期的な利益を見込んで、毎日少しずつ積み立てていくイメージ。投資と同じく、すぐに結果が出るようなものではない。
だから、想像以上に早く効果が現れ始めて、少し動揺している。動揺というか、うーん、言葉にするのが難しい。ドキドキしている、と言ったほうが正しいかもしれない。もともと、こういうのは苦手なのだ。自己開示も、なにかを続けることも苦手。苦手だけれど、苦手なりにやってみようかなと思って、毎日、少しだけ頑張っている。それを見てくださっている人がいるというのは、うれしいような、気恥ずかしいような、そんな気分である。
あなたはドキドキしているかもしれないけれど、ドキドキしているのはあなただけではない。である調のエッセィだから、ぶっきらぼうに見えるかもしれないけれど、こう見えてガラスのハートなのだ。ガラスのハートに、単純に接触するのは危ない。ガラスが割れて、あなたの指を傷つけてしまうかもしれないから。そして、滴り落ちたあなたの血が、私のと混ざってしまうかもしれないから。