たまにインスタを見て思うこと

池田大輝
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公開:2025/12/24

私は一応、インスタグラムをやっている。フォロワーは、ほとんど友達というか知り合いばかり。X(Twitter)は多少、宣伝を意識しているのに対して、インスタは、その意味では完全にプライベートなので、ほとんど見ることがないし、更新することはもっとない。

たまに、誰かのストーリーが更新されました、という旨の通知が届くことがある。基本的にはスルーするけれど、気が向いたときに見てみることがある。今日、さっき、たまたま見てみた。なんというか、みんな幸せそうだな、と思う。私はあまりやらないけれど、幸せな瞬間の写真や気持ちをシェアしたい、という気持ちはわからなくもない。子供の写真、パートナーの写真、家族の写真。ああ、こういうのが幸せなんだな、という学びになる。

個人的には、本当に幸せなことがあったら、誰にもシェアせず、心の中にしまっておきたくなる。誰にも言わず、一人で幸せを噛み締めるようにニヤニヤする。幸せなときは、幸せだなあ、以外の感情がない。幸せだなあ、くらいなら、匂わせにもネタバレにもならないので、SNSに書くことができる。私が幸せだなあ、と書いたときは、本当に幸せだ、という意味である。

美しい景色に出会ったとき、写真を撮りたくなるだろう。でも、どれだけうまく撮ろうとしてみても、目で見た景色には到底、敵わない。目の前にある美しさは、誰かにシェアしようとした瞬間、劣化する。幸せも同じ。幸せは、誰かに分け与えられるものではない。私の幸せは私の幸せであり、あなたの幸せはあなたの幸せだ。私の幸せとあなたの幸せが重なることは、基本的にはあり得ない。ただし、基本があるということは、例外があるということだ。例外的に、幸せと幸せが重なるケースを、私はまだ知らないのだと思う。

@radish2951
恋愛ゲーム作家。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink