今年に入って観た映画は、たぶん片手の指に収まる。今までの私からすれば信じられない事態だ。主には、映画を観ている場合ではないのが理由だけれど、それにしたって、あんまりだ。一昨年くらいまでは、週1で映画を観ていた。映画館で映画を観るのが好きだった。今も好き、と言いたいところだけれど、今年、映画館に行ったのは、2回くらいではないだろうか。本当に、信じられない。
映画は好きだ。この忙しさが終わったら、観たい映画は山ほどある。劇場の巨大なスクリーンで、浴びるように映画を観たい。それができない状態が、1年以上続いている。生きながら死んでいるようなものだ。どうやって生きているのかわからない。
そういえば、今年は映画よりも舞台をたくさん観ている。昔は、舞台には本当に興味がなかった。でも、考えてみたら、映画館で映画を観るようになったのも、大学生に入ってからだった。それから10年くらいしか経っていない。この先の10年は、舞台の10年になるのかしら。あるいは、舞台に慣れた目で久しぶりに映画を観たら、今まで見えなかったものが見えるのかな。そのためのブランクだったとすれば、むしろ喜ぶべきかもしれない。この1年の沈黙は、この先の10年のために必要な時間だったのかもしれない。なんか、恋人みたいだ。次、映画館に行くときは、妙にドキドキしてしまいそうだ。