正確には公務員ではなく「みなし公務員」だけれど。タイトルにそう書かなかったのは、こっちのほうが語呂が良いから。以下、面倒なので、まとめて「公務員」と書く。
公務員であることを明かすと、真っ先に心配するのは、税金に支えられている立場のくせに、という批判。たしかに、税金に支えられているのは間違いない。ただし、税金の定義を考えると、日本に住む人全員が、多かれ少なかれ税金に支えられている、といえる。私は多少、多いほうだろう。とはいえ、公務員よりも税金の恩恵を厚く受けている人はたくさんいる。補助金とか助成金とか減税とか、いろいろある。税金という一点のみであれこれ言われるのは、やや心外である。
公務員は安定している、というのもよくわからない。少なくとも、私の勤務先は任期制を採用している。そうじゃない人もいると思うけれど、私は任期制である。大学とか、そういう組織に近い。身内が役所で働いているけれど、そっちは派遣。昨今のアメリカの情勢と、それに呼応するような日本の態度を加味すると、公務員ほど不安定な仕事もないと思わざるを得ない。
思えば、中学、高校、大学と、すべて公立だった。大学は国立。それから、いくつかの民間企業に勤めたけれど、結局、ほとんど長続きしなかった。最初に入った日本ファルコムというゲーム会社は、ゲーム業界の中で最もお役所っぽい会社だと思う(任天堂と良い勝負?)。そして、つい最近、晴れて(?)公務員になった。
つくづく地味な人間である。華もなければオーラもない。スターとして名を刻むことは、とっくに諦めている。クリエイターを諦めたわけではない。むしろ逆だ。地味な人間だからこそ、できることがあると思っている。輝かしい舞台で脚光を浴びる以外にも、名を成す方法はいくらでもある。そのほうが自分に向いている、と思うようになったのは、つい最近のこと。公務員をしていると、誰のために仕事をするのかを、常に意識するようになる。それはたとえば、国民や市民のために。このような心持ちは、案外、創作活動にも応用できるのだな、ということを学びつつある。