近状

エントリーの内容とは無関係ですが『近状』というタイトルを見ると「転職…か…?」となります。あなたは近状ですか?

さて、現所属先で仕事を始めてから早いもので1年が経ちました。入社するまでは8ヶ月間も無職の身分を活かした気ままな暮らしをしていたので、1ヶ月も働いたらストレスで肉体がボロボロと瓦解していくのではと危惧していましたが、なんとか現在もここに在ります。

業務ではオンボーディングを終えてから今日まで新規サービスの開発を行うチームに参加しており、主にPython、ちょいちょいGoを書いています。Pythonを業務で書くのは初めて、Goも前職で数ヶ月書く機会があった程度ということでそれらの言語、加えて生成AIを利用するサービスということで生成AI、VectorDB、それを取り巻く諸々について学びつつ走る具合でした。特に生成AI周辺の諸技術はそれを直接利用するものを開発する・しないに関わらずどこかでまとまった知識を付けねばなと思っていたので、ここで学ぶ必要に迫られたのは嬉しい機会でした(入社時点ではこの開発に加わることは決まっていなかったはずなので幸運でした)。とはいえ依然として十分な知識量ではないので、やっていきたいですね。ほぼ全く知識が無い言語を業務で書くという体験も久しぶりでしたが、なんとかなった(と言えると信じたい)のは今後ソフトウェア開発者を続けていく上での自信が多少なり増す経験になったと思います。不安だった英語環境も、入社半年も経つ頃にはうんざりしているのだろうか…と悲観的に想像していましたが、意外と大きなストレス無く過ごせています。

この1年を振り返ってみると、ぼちぼちタフだったように思います。今回の転職では能力的により困りそうな方へと進んだので期待通りと言えばその通りなのですが、やはり困ることは困るわけで、タフだぜ〜と思いながら過ごす期間がしばしばありました。単に知識が不足していただけではなく、ある程度シニアなポジションで仕事をしていたところからジュニア同然になるという変化が想像以上に響きました。成果が出せないことへの焦りが募り、それを少しでも払拭しようと行動しては空回って、更に焦って…と、新入社員の呪いの解き方 に書かれている呪いをそのまま体現するような状態に陥りました。これが本当に苦しかった。タフだった分だけ学ぶことも多くあり良い経験もできたのですが、いつかまた機会があるであろう転職の際には、自分がどれだけタフな状況に耐えられるのか、どういう状況を自分ではタフと感じるのか、それはテクニックで回避可能なのか…等々、自分の持続可能性に関する諸々を十分勘案した上で進路を選びたいですね。しかしながら転職は常に大規模プロジェクトであり不確実性が高いので、精度の高い見積もりは難しいという厳しい現実もあります。人生は顧客が居ないソフトウェア開発のようですね。


確信のない生き方をしているなと最近よく思います。

数年前から自分の生き方は、良さそうで且つ現実的に得られそうなポジションのいくつかを、それぞれに進める可能性を極力残すように、また一度得たポジションは極力手放さないように手を進める、まるで麻雀の序盤のような進め方になっている気がしています。これこそが自分がやりたいこと・すべきことということに確信が持てず、それなりに好きでそれなりにこなせる能力が自分にあってそれなりにリターンがあることに、まあこの一手は合格点だろう、ととりあえず時間を割いています。生活が安定していることはとても良いことではあるのですが、"熱"によって人生を駆動しているような人を見ると、翻って自分の生き方は綺麗に舗装された道を目的地も無いままに歩いているような風に思え、心のざわつきを感じます。