(この記事は、Fediverse Advent Calendar 2025の12日目の記事です)
金曜なのに仕事が片付かなくて、会社の最終退出になってしまって、家に着いたらもう24時を過ぎていた。こういう深夜の時間は、ネットのことを考えるにはちょうどいい。寝るタイミングを逃してしまい、少し冷えた部屋で、12月12日の「27時」にこれを書いていることにする。というわけで、きょうは12月12日。いいね?
これは今年の秋の写真。

撮影してくださったのはWAKUさん。着ぐるみ写真が上手で、助かってます♡
この服は『あなたとお台場!ニジガクデート♡♡♡』で朝香果林がデート服として着ていたもの。ちゃんと3連のほくろが見える数少ない衣装だったから、どうしても着て見せたかった。なのでなんとか最低限の満足はした感じ。
ところで、今年は着ぐるみを何回くらい着たっけ。
今年は着ぐるみを着ることが少なかった。いまのところは、2月に2回、8月に1回、11月に1回。冬コミで着れるかな? 今年は、誰かのサポートだったり写真を撮ったりというのが多くなったね……
……って、アドベントカレンダーって、こういう感じで1年を振り返るものよね?
本題はここから。
Fediverse──特にMastodon──では、着ぐるみをほとんど見かけない。もちろん、ゼロではない。私が運営しているCOStodonには、そこそこ着ぐるみの人がいるし、Misskeyでいえば、くっしーさんが作った「着ぐるみすきー」のほうがCOStodonよりもずっと賑やかだ。ほかにも、ケモノ系ならKemonodonや、もふけもの、といった場所もある。
ただ、人型の着ぐるみは、そもそもケモノ着ぐるみに比べると絶対数が少ない。だから、「連合」だとか「分散型」だとか言われても、趣味の入口にいる人ほど、なんとなく遠い世界の話に聞こえてしまうのも仕方ないと思う。
私は仕事柄、コンピュータやネットワークの仕組みには比較的明るい。だからFediverseの意義も、それがどう動いているのかも理解できる。でも、一般的には「なんでわざわざ分散型SNSを使うの?」という疑問のほうが自然だろう。
昔は、コスプレにしても着ぐるみにしても、インターネット上で発信している人は、ある程度ネットの文化や仕組みに詳しい人が多かった。だけど、ここ数年で着ぐるみの裾野は大きく広がった。SNS上に現れる新しいアカウントの多くが、必ずしもネットに明るいわけではなくなった。
そして、着ぐるみでFediverseにアカウントを作った人のほとんどは、X(旧Twitter)が「終わるかもしれない」と言われたときに流れてきた人たちだ。Fediverseのことを深く知らないまま、とりあえず避難所として登録した──そんな印象がある。その後も、Xが「終わる終わる」と言われながらも結局続くものだから、人が去っては戻り、戻っては去るを繰り返している。
ちなみに、コスプレ界隈も似たようなもの。
テーマサーバーは伸びない、という話をよく聞く。実際、着ぐるみだけをテーマにしたサーバーが爆発的に成長するイメージはあまり湧かない。私自身、COStodonを続けるつもりではいるけれど、「今後大きく伸びるか?」と言われると、正直なところ難しいと感じる。
じゃあ、なんでつづけるのか。最近、ようやくその理由が少し分かってきた。それは、たぶん「着ぐるみの趣味の外側にいる人に見つかってほしい」からだ。
着ぐるみはお金も時間もかかるから、決して大衆的な趣味ではない。それでも、見つけてくれる人は確かにいる。かつては、個人のホームページに憧れて、何年越し、十何年越しに自分の着ぐるみを手に入れた人がいた。私もそのひとりだ。
あの頃の「偶然見つけてしまった感」は、今となってはもうほとんど残っていない。今は、見ようと思えばXだけ見ればいい──そういう世界になりつつある。それは便利だし合理的だけれど、どこか物足りなさもある。
だからこそ、私はFediverseを続けているのかもしれない。Fediverseの誰かが、ふとしたはずみで着ぐるみにたどり着くための、小さな灯を消したくないのだと思う。
静かで、細くて、それでも確かにそこにある灯り。それくらいの距離感で続いていく場所が、ひとつくらいあってもいいと思うんだけど。
どうかしら?