好意的に飽きる

re_bartlby
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2020年から(ここでも2020年だ)大変お世話になった乃木坂から、最近は大分離れている。要因はいくつかある。一番大きなところはライブを見なくなったところだろう。いくら音楽性を馬鹿にされようが、乃木坂の核はライブであると私は思っている。それを見ようと思わなくなったことは、私の乃木坂熱の冷め方を如実に表している。別段興味がなくなったわけではない。ただ2時間それに集中したくない。他のことに時間を使いたいと思ってしまうのだ(「有意義」な時間の使い方をしているわけでもないのにね)。時間優先順位が下がっているわけである。それの要因もまた色々あるのだが、今この時だから考えられる、主要な原因は去年のバスラではないだろうか。そこで披露された岡本姫奈の「Sing out!」は、私の乃木坂観をすべて破壊する(岡本姫奈が乃木坂の「Sing out!」を破壊したように)演目であった。あの瞬間が、私にとって乃木坂が最高のコンテンツだった瞬間である。それに満足し、あとは下降線を辿っている。それが冷めてきている理由ではないだろうか。

乃木坂熱が冷めるのは、別に構わない。乃木坂が好きなことを恥じている自分が存在しているし(恥じている理由は対外的なものと、内心的なものだ)、アイドル業界の悍ましさも常日頃から感じているから、離れられるのならば、それで構わない。ただ、この最高のコンテンツを感じたら後は下降線を辿って冷めていく、という現象は他にも生じているのだ。例えば漫画(『寄生獣』と『火の鳥』が最高コンテンツだ)、アニメ(『革命機ヴァルヴレイヴ』)そしてフィギュアスケート(2014年ソチ五輪を超える大会はない)……etc。サブカル趣味に限らず、多様な方向でこの性質は表れている。今ハマっているものも、最高コンテンツを感じたら冷めてしまうのだろうかと思うと、少し寂しいような気がする。……気がしているだろうか? どうせまた新しい楽しみを見つけるだろうなという信用もある。自分の変化への信用である。趣味が変わるという点で考えれば、何ら普通のことなのかしら。そんな普通のことを大げさに考えるのが大好きだ。考えることの、最高のコンテンツにはまだ出会っていない。