28歳。若者とは呼べなくなってくる時期だ。私はそのことにかなり怯えている。それは、今の自分が不甲斐ないとかだらしないとか思っているからだろう。世の中に顔向けできる大人になれていないと考えていからだろう。自分の激情的な部分を抱えて、この思考が大人になればまろやかになるというなら、早く大人になりたい、と考えているくせに、いざそこが近づくと怖気づいてしまう。欲しい大人の部分と、要らない大人の部分がある。
自分がどうして不甲斐ないのだろう。要素は色々とある。まずは職が安定しないこと。現職を辞めることとなれば、20台で3回目の転職だ。収入が低いこともそうだろう。転職するに伴って収入が悪くなっている、珍しい例ではないだろうか。そしてまた、能力が伴っていないということも挙げられるだろう。それゆえに転職もするし収入も低いし、という状態なのだが。
しかし私は、私以外想像できないのである。世の中の大人たちは、どうやってあんなに立派に働いて、何百万と稼いでいるのだろう。どうやって能力を身に着けているのだろう、どうやって働き方を習得したのだろう。新卒の時に身に着けたものなのか。であれば、新卒で入った会社が悪かったのか。そこでの私の態度が悪かったのか。私には私しか想像できない。世の中の他の大人がさっぱり想像できないのだ。
私の知り合いたちは、おそらくそんな立派な大人ではないというだろう。でも、個人事業主で食っていける何らかの力量を持っている人や、休職中の人でも、明らかに自分と違って優れていると思える人ばかりである。私は私しか想像できないくせに、なぜ私は私なのかを想像できない。
どうしたらいいのか分からないのは、どうなりたいかが存在してないからだ。どうなりたいかが存在してないのはなぜだろう? おそらく私が立派な大人だとみている人たちも、どうなりたいなんてあってもなくてもうまく生きているのだとは思う。でもそれはどうやって? 私は私しか想像できない。