エッセイサイトをずっと探してる

らりる玲
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ショートノートというエッセイ?サービスを使っていた。そこではたくさんの人の日常生活を覗くことができた。自分の感覚でしかないけれど、そこに毎日ログインするユーザーはたぶんざっくり100人くらいで、1日に上がる記事の数はもっと少なかった。だから上がった記事は、気が向けばすべて読むことができた。自分が書く頻度は少なかったが、私はだいぶ長くそこにいた。「いた」のだと感じられるような場所だった。他のインターネットとは違っていた。

その違いがなぜ生まれたのかは、よくわからない。人が「いる」と感じられる場所はネット上に数少なく、その上に覗いているだけで自分も「いる」と感じられるのはもはやマジックに思われた。

サービス終了の発表が一度あり、創ったのとは他の会社が運営をひきついだ。しかし長くは続かなかった。たぶんお金を生み出せなかったのだ。

魔法の効いたサービスはここ以外にないだろう、潔く去ろうと決めたのに、わたしはずっとエッセイサイトを探している。昨晩だって探したばかりだ。日本語では見つからないけれど、英語ならあるんじゃないかと、とうとう英語で検索をかけていた。自分が思っていたサイトは見つからなかったけれど(英語のessayと日本のエッセイがまるで別物というのは高校くらいで習うことだが、じゃあ日本のエッセイみたいなものを英語では何というのか? それがわからなかった)。

読むだけでいるような気分になれる場所。

しずかなインターネットがそんな場所になるのかどうかはわからないけれど、とりあえずお金が運営者に入る仕組みができていることにわたしはびっくりした。ショートノートが終わるとき、何にだったらお金を払うのか、どうしたらサービスが続くのか、何人か模索した人がいたのに見当もつかなかったから(わたしを含め、みんな文系脳だったからか)。

お金を払わないとひとに見つけてもらうのが難しい。嫌いな人は嫌いなやり方かもしれない。でもわたしは、お金が入らないとサービスが続かないことを身をもってしっているので、純粋にスゲーと思った。思いついたのもすごいし、やっぱ割り切りっぷりがスゲー。

わたしは読めば気が済むのだから当面お金は払わなくていい。もしここが、維持に協力したいほど「いたい」場所になったなら、その時に払おうかなと思っている。

@rei_raliru
ひとの日記を読むのが好きです。心をよせて読んでいます。