ありがたいことに装丁について褒めていただくことが増えたので、使用した素材や紙、印刷所、表紙を作るときの流れについて話します。
今回は泣かせるなよシリーズ(1と2)について。
作業環境というか使用ツールは基本的に表紙がフォトショ、本文がWordです。
[印刷所]大阪印刷株式会社(おたクラブ)、トム出版(2の初版のみ)
おたクラブは小部数の味方。紙の種類やオリジナル用紙が豊富で、どれも手を出しやすいお値段なのが魅力的。
何年か前?までは短納期の店頭受取が可能だったんだけど今は一番ギリギリでも短納期3日で直搬には対応してないので、比較的余裕入稿の人向け。
無線綴じプランはオフセと遜色ない仕上がりだと思う。短納期プランはオンデマ機での印刷になるけどこっちもテカテカということもなく、少なくとも小説なら全然許容範囲。ベタ多い漫画とかだと目立つのかも。カラーは本当にきれい。
表紙や遊び紙の紙変更がとにかくお安いので、色んな紙使ってみたい人にはすごくおすすめ。遊び紙のカラートレペかわいすぎ。かわいすぎるけどあんだけ質いいトレペあったらわざわざクロマティコ(スケスケ高級紙)使う人おらんくない…?と思ってる。
短納期でも使える紙が多いので、ギリギリなのにちゃんとしてる風の本がだせる(?)
その他の装丁凝りたい(箔押しとか三方印刷)人は納期がもりもり追加されるのでかなり早めに作業しないと厳しいかも。
通常の冊子プランなら白版(白印刷)も対応してるので、白押さえやってみたい人にはおすすめ。白押さえの詳細については何種類か使ってみて成功も失敗もしたので次回話そうかなと思ってます(泣かせるなよのブックケースとかね)
個人的な難点は予約ができないことと、ちょこちょこテンプレが変わるところ。箔押しとか三方印刷とか、仕様が追加されるたびテンプレが変わるので前DLしたの使お〜!とすると入稿できないとかある。そして0時を過ぎたら問答無用で翌日扱いになるので詰む。
あと背幅厚くなればなるほど裁断ズレが目立つようになる。ヘビーユーザーだけどここだけは本当に改善して欲しい点。
これくらいズレる。
[紙]初版ペルーラ、再版パールスノーペーパー(プラチナ)
[カバー]クリアホログラムクラックドアイス、クリアホログラムネオンドット
[遊び紙]カラートレペブルー、トレペピンク(初版)、カラートレペライトピンク(再版)
[本文用紙]書籍用紙70、淡クリームキンマリ72
ペルーラはパール系、パールスノーペーパーはキラキラが強めの印象。写真じゃわからないので実際使ってみるのが吉。有償見本欲しい…。
どっちも使ってみたかったので使ってみたけど、文庫の表紙にするならペルーラくらいの厚さが限界かも。パールスノーペーパーはかなり厚めなので、小説で使うなら50Pくらいまでかなと思った。再版分の人読みにくかったよね…ごめんよ…。キラキラかわいいので許して欲しい。
カバーはクラックドアイスはホロPでよく見るって人もいるんじゃないかな。ネトンドットの方はHPの見本とかなり印象ちがうので実際に見てみるのがおすすめ。
クリアカバーもかなり安価に試せるけど、ホログラムをつけると透明度は落ちます(これはホロPもそうだよね)使ってみた印象からのイメージだけど、白押さえなしの黒とか合うんじゃないかな。黒100%のクリアホログラムやってみたい〜。
本文用紙は初版分の印刷所がちがうので二種類だけど基本的には書籍用紙の方を使ってます。キンマリの方がより文庫本っぽいくすんだクリーム色。捲りやすいのもキンマリかも。つるつる。
[使用素材]
いつも大変お世話になっております。
正直小説同人誌の表紙ってイラストを描いてもらう場合などを除けば素材が9割なんよね。だからわたしのセンスが良いとかでは決してなくて、素敵な素材があって初めて成り立つものなのです。自分で一から作れる人もいるだろうけど、わたしはそうじゃないので。
[表紙作成について]
これは人によるだろうけど、わたしの場合表紙を作るまでにやることがふたつあって、
ひとつ目は、内容の大まかな流れ(プロット)を考えること。
といっても大体プロット通りには進まないから、起承転結の起と結を考えます。
ふたつ目は、タイトルを考えること。
時間ねー!なんとかなれーッ!ってときは何も考えずに表紙を作るけれど、そうじゃないときはタイトルや話の内容に合った表紙を作るので先に話の流れとタイトルを考える必要があるんだよね。
泣かせるなよの場合は、青い方が日の出(明け方)と新しい朝の雰囲気、ピンク(紫)の方が日暮れ(夕方)と歳月と変化をイメージしています。言わなきゃ誰もわからんて。まあ同人誌なんてもんは全部不正解で全部自己満足だからね。
それとタイトルが「泣かせるなよ」なので、涙で滲んだかんじを出したいな〜と思い、クリアカバーを使うことにしました。
カバーはタイトルと折り返しのキラキラ部分にのみ白押さえしてもらって、アルコールインク部分は100%で印刷してます。表紙の印刷部分と重なるようにして、重ねた時に濃く滲んだ仕上がりになるように。
かわいいね。
2の方は初版と再版で印刷所が違うんだけど、再版分が手元にないため表紙はトム出版、カバーがおたクラブになります。
トム出版の方が若干くすんでるかな?気にならない程度です。本文は漫画だとテカりが目立つかも。小説だと濃くみえて逆に読みやすかったんじゃないかな。
ちなみにどちらもRGBで入稿してます。
ネオンドットのかわいさは写真だと伝わりにくい。ゴミカスSE2のカメラだし。
写真は1がパールスノーペーパー、2のがペルーラです。やっぱり実物見ないとわからんね。
[おしまい]
次回は白押さえのデータの作り方みたいなものとやってみてわかったことなど書いていけたらいいな。
あと最近縦式を使って本文書いたりしてるのでそっちの使用感についてなどもいずれ書こうと思います。
同人誌を作るのは楽しいねぇ。