夢を見続け、もう深く眠れないと諦め目を醒し始める朝。起き上がるのもしんどいが、起き上がるだけでよいのだと起き上がった後のことから意識をうまく逸らしてやる。カーテンを開ける。水面が光る。綺麗だ。シャワーを浴びて髪を乾かす。窓を開けてみるが、まだ外気は冷たい。ハクセキレイがベランダに降り立つ。なかなか珍しい。トマトスープと白ご飯。歯磨き。
お勧めされたラジオを歯医者へ向かう前に聞く。丁度、平和について朝から意識が向いていたのでとてもタイミングのよいラジオだった。『カルチャーラジオ 日曜カルチャー 人間を考える いのちを見つめる(3)』今回は生物誌の観点から。NHKラジオのアプリで無料で聴ける。聞いているとチャップリンのスピーチ『独裁者』を想起させられた。ヒトは共感と思いやりと想像の特徴をもつ生き物だと。機械人間になる為に産まれてきたのでは間違ってもないよ、と。生き物に優劣をつけず、多様性をフラットなものだと認識すること。どんな生き物も各々の特徴を活かして生きている。カントの『永遠平和のために』はまだ読んだことがない。
歯医者のまえに、郵便局にコンビニにとその他諸々寄る場所片付けるべき用事もあったので、いつも利用するバスは使わずに早めに出発。前のバイト先の制服を郵送する手続きを終わらせて(やっとこさ)、気になっていたお店に寄り、気になっていた曲の楽譜をコンビニでプリントする。歯医者。相変わらず歯茎の腫れは続き、連動して歯のぐらつきも続く。もう様子見を続けるしかないらしい。酷く人間らしくて良いのではないかとも思った。栄枯盛衰。これが恒に身体を形作ってくれている細胞たちに起こる現象。まるで森のように。眠れないほどの痛みはもう勘弁であるが。
お昼は人にほんとに出会わない。人に必要以上に会いたくないわたしに主治医が散歩をするなら昼がいいよと処方してくれたが、ほんとにそうだった。世界に1人だ。蝶も桜吹雪も鳥もトカゲ?もいるから寂しくはないんだけどもね。1人。1人は安心する。寂しい時もあるけれどね。
帰りはバスで帰ろうと思っていたが、次のバスは1時間半後。これは歩いて帰ったほうが早いと歩き始めるが、辿り着く少し手前でもう無理だと座り込んだ。元々帰りはバスを使う予定だった。悲しみの誤算。可能な限り無理はしないで。
味噌汁とお米、途中で買った野菜ジュースをちみりちみりと飲みながら、心底草臥れたと深く椅子に座る夕方。眠い身体を押して、炊いたお米を冷凍保存して歯磨きをする。
『平和が欲しいから』そのために私はただひたすらに進んでる。
葉