夏になると、たまにどこからか打ち上げ花火の音が聞こえる。でも、家の窓から外を覗いてみても、何も見つけることはできない。 だから実際のところ、どこで打ち上がっているのかも知らないのだけれど、それでも確かに花火を楽しんでいるのだ。
日本の夏は、浴衣を着てうちわを持って空を見上げるものである。でもよく考えると少し変だ。だってオリンピックの演出にだって使われていたように、花火は外国にも存在する。花火師さんは日本の伝統的な仕事のようなイメージがあるけれど、アメリカにだって中国やフランスにだって、花火をあげられる人はいると思う。勝手に日本の夏の風物詩みたいに思っているから、何だかぴんとこないけれど。
花火の音を聞いて夏を楽しむ日本の私がここにいて、それと同じくらい当たり前に、花火の音を聞いて別の何かを感じる人が地球のどこかにいるわけで、それは何だか変で面白い。