秋をどうしてやろうか

りえ
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台風が去った。そして、秋が来た。

時々、季節もカレンダーを読めるのかと思うことがあるのだけれど、9月になったことを知っているかのように今年の秋はやってきた。夏が好きだ。茹だるような暑さが続いたとしても、厳しい悲しい寒さに比べればなんてことはない。だから、冬の足音が聞こえてくるようで、夏の終わりは少しさみしい。でもそんなことを言いながら、いざ秋の存在を感じると急にワクワクしてくる自分もいる。夏の暑さで諦めた、あそこやあそこにやっとやっと行けるのだ。

小さな本屋めぐりが好きだ。覗きたい展示もたくさんある。ずっと行ってみたかった市場にも行こう。いやそれよりもまずはマックの月見バーガーを買って、コメダのお芋のシロノワールを食べて、倉敷珈琲店にもきっと何か美味しいものがある気がする。そして、そして、そして、そして、そして!

これは戦いだ。冬と春と夏がそうであったように、秋だってきっとあっという間で、この短くて自由な季節に一体どれだけ楽しいことができるのかは、どう戦うかにかかっているのだ。綿密な計画と、軽やかな行動と、無尽蔵な体力と、いっぱい入るお腹をどうにかこうにか調達して、さて、この秋を一体どうしてやろうか。