沈む日

ピロシ記
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⚠️イベスト『夜明けを告げる者』のネタバレあります。

湾岸には沈まなかった。

でも、沼には頭から垂直ダイブしていた。

これで何度目だろう。

その時の私はガチャを神引きしていた。

推しであるロノくんのイベガチャのスチルがあまりにもどスケ…魅力的だったので、どうしても入手しておきたかった。

幸いにも天は私に味方した。

ロノくん、ロノくん、ボニキ、ロノくん。

SSRが4/11連。神はこの世界にエッ…バチクソにかっこいい推しを3体も創造しなすった。

もれなくボニキもついてきた。やったね。

あくねこをはじめて、もうすぐ1年。推しの特別な髪型も初めて手に入れた。

それはもう自分史上類を見ないくらいのことだったので、SNSで報告した。

祝福の言葉を頂いた。

同時にFFさんから「夜道に気をつけて」というリプライもいただいた。

何気ない冗談なのだが、ここまでの私は盛大に死亡フラグをぶち立てていた。

そしてこともあろうに、ガチャを神引きした直後、私は湾岸に赴いていたのだ。

ぬいを連れて夜景を見に行くことがある。

適当なバスターミナルから全く知らない行先のバスに乗り、見たこともない街並みの車窓を楽しみ、さらに終点で降りてその町を散策する。この遊びが楽しくて時々、ぬいと共に決行する。

この遊びは行き着いた場所が当たりでもハズレでも面白い。

当たりであれば、その街の風景を思いっきり楽しめば良いし、ハズレで何もない場所に辿り着くのも味わい深い。

その中で、ごく稀に誰も居ないような絶景の夜景スポットに行きつくことがある。

この日もそんな遊びに興じており、今日に限って大当たりの場所だったのだ。

静かな海辺の開けた公園と、海の向こうの人工島の夜景。こんなだだっ広い場所に今のところいるのは、私と釣り人ひとりのみ。

週末なのに。

また秘密の推し活スポットができた。私のテンションは、はなだしくブチ上がっていた。

しかしアニメや漫画において、幸せの絶頂を迎えたはずのキャラが、その後すぐ惨たらしい○され方をするというのは鬱作品などでよく見られる展開である。

湾岸、夜…

数あるコンテナ…

港の倉庫…

そこはかとなく事件性を感じるロケーション。

うっかり闇組織の取引を目撃してしまい、鉄アレイをつけて海に投げ出され、その後無惨な姿で発見される弊パレ主…

ここは三次元だとわかっていながらもそんな状況がちらついた。今日が私の命日にはならないか。

奇しくも今回のイベストはマフィアもの。

推したちがマフィアのフリをして闇組織に潜り込み悪事を成敗するというストーリーだ。

そして今回の私たちプレイヤーのミッションは彼らのボスでいること。彼らの首領としてここで死ぬわけにはいかない。

なんとしてでも、この街を散策した後に無事に脱出せねば。

結果的には、とても穏やかで充実した時間を過ごしていた。

人気のない静かな海辺の公園で夜景を眺めて、地域猫と触れ合って、エサをあげに来た猫ボランティアのおじいさんと少し話して、猫が膝に乗ってきて、周りに何もなくて、でも街の人はとても親切で。また来たい。

ただただ、ぬいたちと温かい時間を過ごし、闇組織とエンカウントすることもなく、帰路についた。

ガチャの神引きに始まり、幸せな日だった。

これでやっとイベストとカドストが読める。

イベストはボニキやラトくんが絡むストーリーはよく「解放」とか「自由」がテーマになっているなぁなどと考えを巡らせながら読んでいた。個人的にはボニキがいるイベストは大体神回だ。

そして、何よりロノくんの切なくなるほどの優しさと強さ、その中に感じる漢気と包容力、いつか絶対立派な漢になるというポテンシャルも感じられて、名シーン製造機な彼の魅力を再認識できた。

ところが伏兵は思わぬところにいた。

ロノくんのスチルに阿鼻叫喚していた主様はたくさんいたが、カドストはもっとダメだった。

クッッッッッッソエロい。

控えめに言ってもクソエロい。

ロノくんの雄みが今まで以上に盛り盛りかつ爆発四散しており、ほんとにだめ。無理。

なんかもう、しんだ。語彙力とか全部。

なんていうかクソどエロいし可愛いしかっこいいし、何なん?

あんなん見せられたらしぬ。

これまで以上にロノくんの優しさと漢気、かっこよさと色気と可愛らしさなど、彼の持ちうる全てのステータスが全開だった。

湾岸には沈まず帰って来れたが、さらに深くなった沼に沈まずにはいられなかった。

死亡フラグを回収しに来たのはフォンティーヌ…お前だったのか…

やはりどうやら今日が私の命日らしい。

いい人生だった。

ロノ・フォンティーヌの「フォンティーヌ」はフランス語で泉とか噴水という意味があるらしい。

これからは、せめてラストネームは沼的な意味を持つ言葉に改名した方がいい。

あと、ムーちゃん。

ロノくんと主、ふたりきりのところに来た時の冷やかし方と、ドアを閉める音、雑すぎてめちゃくちゃおもろい。