お店に入った瞬間の店主さんのにやけた顔がずっと印象に残っている。開いたばかりのお店にお客さんが来て、嬉しかったんだと思う。接客の笑顔というより思わずにやけてしまった様子がわかって、こちらも挨拶しながら少し笑ってしまった。挨拶には「ありがとうございます!」と返ってきた。
お客さんが来ると嬉しいものらしい。
私は個人で営んでいるコーヒー屋さんに行くのが好きで、客側としてしか経験していないのだけど、その感覚は想像できるしそういう話を何度もお店で聞いている。
特に初めて開いた個人店や、個人で活動し始めたばかり間借りやポップアップ営業は、人が来ない時間も多くなりがちだろうし、そういう時に来てくれたお客さんの存在は大きく感じるのかもしれない。
新しいお店に行くのは楽しいし、お店の人も嬉しいなら、良いことだらけなわけで、これからも機会があれば新しいお店には行き続けたい。
そして、良いお店にはちゃんとお客さんが来るようになる。
ここ数年の間にコーヒー屋さんに沢山行って、それを実感している。ちゃんとリピーターがつくし、新しいお客さんも来る。思ったよりもだいぶ早く人気店になっていたりする。その様子を見るたびに、良さは伝わるものなんだなーと感動している。
そうやって人気が出ると、混んでいるお店が苦手な私はどうしても行く回数が減ってしまう。これはもう仕方ない。そういうものだと思うようになった。お店にお客さんが沢山来て続いていくのは良いことだし、自分にとっても嬉しい。ただ自分が行く回数が減るだけ。全く入れないわけじゃなくて、行こうと思えば行けるし。
もちろん全く行かなくなる事もある。それは別に嫌なことがあったとかお店に飽きたとかでは無くて、ただ色んな状況の変化の中で、気付くと行かなくなっている。これも仕方ない。そういうものだと思う。
(……なんだか書こうと思ってたのと違う話になってしまった)
昔から沢山コーヒー屋さんに行っていた人が、「伝説の珈琲を体験されていてうらやましいです」と言われたという話を見かけた。
確かに評判が積み重なった後になってみるとそう思えるのかもしれないけど、それは時間が経ってもう行けなくなったから伝説になったわけで、今あなたが行っているお店も後の伝説になるかもしれない。良いお店も人も、今目の前に沢山いるから。そしてどんどん新しいお店と人は出てくるものだから。