12/26 コーヒー屋さん納めをした日の日記

rimo
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最近読んだ日記本『ティンダー・レモンケーキ・エフェクト』があまりにも良かったので、たまに日記形式の記事も書いていこうと思う。

まず仕事。そして年末年始のための色々な用事を済ます。具体的な話はネットには書かない。それじゃ日記にならないので、書けることがある日だけ日記にするつもり。

コーヒー屋さん納め

偶然の重なりで突然暇な時間ができた。ラッキー。よし、コーヒー屋さんに行こう。というわけで、よく行くお店にエスプレッソを飲みに行った。

そしてエスプレッソを奢ってもらう。カフェのお代を払ってもらった経験はあるけど、エスプレッソ奢られるのはたぶん初めて。コーヒー飲みに行くのは1人が多くて、さくっと飲んですぐ帰るものだし。

お世話になったお店の人にちょっとしたプレゼントを渡した。手土産とかお礼の品とかの慣習はかなり苦手なんだけど、人にものをあげること自体は好き。気にせず受け取ってくれるぐらいの相手ならどんどんあげたい。利害やしがらみの薄い贈り物っていいよね。

飲み終えた頃に、知り合いのコーヒー屋さんが客としてやってきた。「コーヒー屋さんに行くとコーヒー屋さんに会う」という真理は今日も変わらない。そのコーヒー屋さんの知り合いも、お店を開いてコーヒー屋さんになるらしい。お店で出会った人がどんどんコーヒー屋さんになっていくという真理。

「好きな人にあえる場所は 好きな人の好きな場所さ」という詩をよく思い出す。自分が良さを感じる場所には、同じものを良いと感じる人が集まるもの。

2駅移動して、よく行くパフェとコーヒーとワインのお店に行く。

りんごのパフェ。温かいりんごのミートパイが乗ってる。毎月変わるパフェが毎回おいしい。そして平和なお店。パフェとコーヒーで充分に魅力的なのだけれど、いつも平和な空気なのが貴重だと感じるようになってきた。新しいスタッフが入って個性が増えても、基本的に平和なのは変わらない。わりとすごい事だと思う。

新しく入ったスタッフさんと「クリスマスは何が楽しいのか?」について話す。よくわからない。子どもの頃からクリスマスを刷り込まれてきているのに、実は身に付いてない気がする。街や人がクリスマスムードで賑やかに楽しくしているのを見るのは楽しいけど、自分の中からはクリスマスに対する感情が特に何も湧かない。そういえばあんまり真面目に考えた事が無かった。

20歳前後くらいまではさすがに周りの目を気にしてクリスマスの意識があったけれど、仕事をしているうちにただの日付になってしまった。朝にテンションが上がっている子どもを眺めるのが楽しいぐらい。実は誕生日も特に何も思わなくなってきている。これはどういう感覚なんだろうか。

「良いお年を〜」と手を振って、近くの本屋さんへ行く。……あれ?行ったよね?記憶が怪しい。まあでも大体いつもパフェの後はその本屋さんに行く。選書がしっかりしていて、フェアの本棚もよく入れ替わるし、サイン本もあるし、お客さんも入っている。こういう本屋さんでも続けるのは大変な時代らしい。何とか続いてほしい。先日の別の本屋さんが閉店するという知らせがあまりにもショックだったので、「ここは大丈夫ですか?」と店員さんに聞きたくなる。聞かないけど。

前回買った本がまだ積まれているので、何も買わずに出る。ここから家までの道のりがなぜか好き。いつも静かで冷たい気持ちになるけど、寂しい感じはしない。パフェを食べて少し話して本を眺めた後だから、心の軸がしっかりしてるような感覚になる。日々を生き抜く勇気と元気の補充を実感する瞬間。

「日々を生きるのに、勇気はどうしたっている」「しかも、勇気は消耗品なのだ」「幸福な瞬間をたくさん持つと、人は勇敢になると思う」「その勇気を惜し気もなく消費できるように、幸福な瞬間をたくさんくぐりぬけて暮らすのだ」

江國香織『泣く大人』

@rimo
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