おいしいエスプレッソを淹れてくれる人がいるお店をはしごする。
下北沢近くのCOFFEE COUNTY TOKYO。競技会に出てる人はエスプレッソもミルクビバレッジ(カフェラテとか)もちゃんと作ってくれるのでありがたい。
手で注ぐドリップコーヒーの方が技術の差が出そうに見えるけど、マシンで淹れるエスプレッソの方が実は人の違いが出やすい。出やすいというか、差が激しい。どうしてもちゃんと訓練してる人が少ないから。目指す味わいをイメージ出来て、さらにそれに合わせる知識と技術と経験がいる。
そもそもエスプレッソ単体を注文する客が少ないから、カフェラテの材料としての練習しかしていないことが多い。だからエスプレッソの抽出は形だけというか、「これぐらいでいいか」という感じになりがち。需要がないので仕方ない。
むしろカフェのスタッフさんも、ちゃんと意図して抽出したおいしいエスプレッソを飲んだことが無いかもしれない。淹れる人が少なくて、狭い界隈に偏りがちなので。
そして、そんなことは気にしていない。現状がそうなっている、というだけで文句も愚痴もない。おいしいエスプレッソを求める人はごく少数しかいない。
私は私がおいしいエスプレッソを飲めればいいのだ。そしておいしいエスプレッソを淹れてくれる人がどこにいるのかを知っている。
飲みたい人と作る人が上手くマッチング出来ればそれでいい。
飲む人が少ないんだから、みんなが練習する必要は全然ない。喜ぶ人が多いラテアートの練習をした方がいい。
これはよく行くお店のつやつやカフェラテ。おいしい。
おいしいエスプレッソとミルクビバレッジを作れる人はインスタを見ていると見つかる。わかりやすいのは競技会(JBC、ジャパンバリスタチャンピオンシップ)で準決勝以上に勝ち進んだことのある人。これはほぼ確実に上手なので、行けたら行く。でもそういう人は店頭に立っていない事も多い。
勝ち上がれていなくても、競技会に出ている人はそのための練習や勉強を重ねているので、ちゃんとしていることが多い。
そして、そういう人達が飲みに行くお店も大体おいしい。
そうやって辿っていくとおいしいエスプレッソを淹れる人に出会える。さらにそこで会話をして情報を得て、また次のお店にいく。
結局飲まなきゃわからないから、そうやって調べたお店に沢山いくことになる。そういうもの。そのうち、逆にお店の人からどこのお店がおいしかったかと聞かれるようになる。情報は交換するもの。
そうやっているうちに、勘みたいなものが養われるのか、「何となくここはおいしそう」みたいな感じで見つかることもある。
私のコーヒーTwitterを見ているうちにエスプレッソ飲んでみたくなったという人がいたら、DM等で聞いてくれれば東京のお店なら一応紹介はできるんだけど、聞かれたことはあんまり無い。
そして、エスプレッソを飲まない人に「飲んでみて」とおすすめしようとは思わない。濃くて強い味わいの嗜好品みたいなものだから。
でもTwitterでエスプレッソについて呟き続けていたら、試しに飲みに行ってみたという人がいるらしい。ほんとかわからないけど、どうもそんな感じがする。
それは嬉しい。いや、全然おすすめはしてないんだけど、試してくれるのは嬉しい。
エスプレッソはそんなにみんなにとっておいしいものではないんだけど、稀にものすごく上手く抽出されていて感動する一杯に出会えることがある。宝探しみたいな感じで。
そういう感動に出会える可能性があるから、試しに飲んでみるといいかもしれない。おすすめはしないけど。