犬の短歌2023冬 #1 短歌26

rimoy
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泣く人間きみはわかってくれるよねいぬはなんにも言わないしない

大げさにケンケンをするいぬを抱く虫に刺されただけみたいよと

肉球があたたかい時眠たくて鼻が強めにいぬくさくなる

いつまでも子犬の目なのに少し濃くなりゆくいぬの犬くさい鼻

カーテンの中でしっぽがぴんとして日光浴は順調らしい

チーズクッキーサンポイクオリコウサンネエ こっちを見てる

リビングで寝てた私の枕元全部のおもちゃ運んできたね

愛はパワーわたしが犬を撫でる時歯をくいしばり手元はやさしく

雷雨ありコワカッタネエ抱き上げて私は少しうれしくてごめんね

小雨ならカエルのかっぱを着てサンポあたまとしっぽは守れぬかっぱ

他愛ない話の時はいぬも笑みまじめになるといぬも真剣

こっちからオイデと言われ駆けてきて反対側へまた駆けてゆく

あたたかいふわふわのいぬいつまでも歳取らないで、一緒に歩いて

ちがうのね今日はこっちの輪っかでねあの輪っかでは遊ばないのね

ちょっとだけ行ってくるねおりこうね無事に帰ろう、おりこうがいる

面白い犬の動きを説明し気づく面白いのは愛しいからだ

帰宅したひとの手やわく噛み引けばサンポに行けると知っているいぬ

気乗りせぬカリカリごはんの時にだけお手のかわりに鼻をのせます

短パンの両腿の上にいぬがのるくすぐったいの意味は幸せ

毛の場所でくすぐったいにも種類あり顎はえへへでお腹はむほほ

いつだっていぬのお耳は特別でおかえり、おかえり、僕だよと言う

人間が近づくほどにぴっと巻くしっぽが距離と比例している

君のことまるでわかってやれぬまま私を追い越すことだけはわかり