かさぶたを剥がすのはどうしてこんなに楽しいのだろう剥がれたときの達成感剥がしたあとの肌のひりつき口に広がるほのかな血の味治りかけの薄い皮膚に滲む鮮やかな赤い色どれもが甘く、蠱惑的に爪を誘う抉れば抉るほど傷痕は深く濃く残り治りが悪くなるというのに傷口に触れるのはやめられない目に見える傷よりもずっと厄介な心のかさぶた詩ringokoほんのすこし、しずかななにかをおいておきたい