愛したい
愛しているとは言い切れない
愛されたい
愛されているとは思えない
この世界を
この運命を
心の底から愛したかった
愛せないのが辛かった
自らの不寛容を呪った
世界の酷薄さを恨んだ
運命の不誠実さを祟った
誰が悪かったのかなんか
もう関係のないことで
もう断ち切れない繋がりには
愛憎が渦巻いている
いっそ離れてしまいたかった
憎しみのなかに儚く消えてしまいたかった
それでよかったのに
自分だけが消えればそれでよかったのに
呪う自分がいなければ世界は残酷なまま続いていく
それでよかったのに
どうしてあの時手を差し伸べたの
顔のない天使