出発

ringoko
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春のうららのひなたぼっこ

普通電車しかとまらない小さな駅の小さなベンチ

3月の陽に照らされて朗らかな朝8時半

目を閉じてじっとしていると

そよ風がわたしの髪をなでていく

――やっぱりあなたのことが好き

電車が通過する一瞬の暗闇

目を開ければ

向かいのホームの電車の扉の向こうに扉

そしてわたしは

暖かい世界を後にして

開かれた扉のなかへ

どこまで行けるかわからないけど

今日のいちにちが今始まる

@ringoko
ほんのすこし、しずかななにかをおいておきたい