片想いの相手に理解されている真実

これは二次創作BL小説の話なんですけども。

入学前からスポーツ万能でつよつよな先輩が好きな後輩くん。

入学したら色々と不満が出て先輩を改心させることができた。

ここまでは良かったのに、もっと自分を見て欲しい、自分の傍に居て欲しいと強い強い独占欲とほのかな初恋を言えず苦しむ後輩くん。

卒業してもこの気持ちは秘めておこうと思ったのに、ひとつ上の先輩とキスしている場面を見てしまい、心が壊れかけてしまう。

あれは違う、あれはキスなんかじゃない、違う、と必死に頭で否定しても心は黒く濁ってしまい、別の誰かが囁いてくる。

「そもそもお前はなんとも思われていないんだ。あれだけ憧れて、好きで、身も焦がれるような想いを持っているというのに、あいつはずっと見ぬふりをしている。全部が全部、自分のため、保身のために利用しているだけで、お前のように愛なんてものは欠片も持っていないんだよ!」

その言葉を否定しようとしても、黒い感情から占領されてしまい半分そいつに憑依された状態での暴徒化してしまう。

「この理不尽な世界を全て血の海に沈めてやる!!」

真っ先にひとつ上の先輩を殺そうと殺意MAXで襲い掛かってくるのに、肝心な想い人には全く攻撃が行かないことに不審に思った先輩。

これは半分悪いやつに思考を染められていることに気が付く。そうでなければ、この中で一番強いやつから殺していくはず。

それに、意図的に攻撃が向かないように抗いでいるようにも見える。

なんとか連携技で本体を足止めして、羽交い絞めにすることに成功する。黒い涙が溢れさせながら、もがく姿を見てひとつの答えに辿り着く先輩。

容赦なくファーストキスを奪われて、離れた直後に黒い煙が離散。

その後、その後輩が気を失い倒れてしまう。

好きな人を奪われた悲しみで暴徒化してしまったことを理解した先輩は複雑な表情をするものの、気を失った後輩を抱き抱えて自分の部屋へ。

後輩の意識が戻った時に、ぼそっと言った先輩。

「……俺のこと、大好きすぎんだろ……」

ぴぎゃーぴぎゃー言いながら後輩は殺してくれ!!と叫んじゃうけど、先輩はまぁあっさり言うよね。

「両想いになった瞬間に殺す馬鹿がいるか」

まさかの両想いだとわかって、年相応の嬉し泣きしちゃう後輩くん。

そんな後輩にきゅんきゅんしたので美味しく頂きました、というお話。

@riones
BL小説とTL小説を書く雑食文字書き。 二次創作も一次創作もしているので、現在地不明になりがち。 ノベルスキーに潜んでいることが多い。 アイコンは、イラストACのこたつねこ様よりお借りしています。