日曜から正式スタートした大阪万博がいろいろと物議をかもしている。特にやばいのがトイレ問題らしい。最近お仕事でもユーザビリティやアクセシビリティについて考えることが増えてきているので自分の復習もかねて考えをまとめてみる。
ペルソナ設定

ペルソナァ!と叫びたくなるけどちゃんとした用語で、誰が使うのかを考えましょうということ。今回はありとあらゆる年齢性別言語のユーザーが対象である。これは最近ではアクセシビリティとして扱われる。ユーザビリティが特定ユーザーの満足度を考えるのに対して、アクセシビリティは全ユーザーの利便性を考えるので指向が少し違う。当然アクセシビリティの方が考えるべきことは多い。とはいえどちらも使いやすさを向上しましょうという点では一致している。それで使いやすさってなんなの?
到達目標&設計
使いやすいかどうかを判断するにはまずゴールを設定する必要がある。今回のケースであれば予定来場者数から割り出される利用者の全員がトイレを利用できることだろう。
まず、会場に来る人の数割は日本語を読めないことを考えないといけない。その中の数割は英語も読めない可能性がある。そのため極力言語による表記はさけ、シンボルによるガイドを中心とするべきである。
また、車いすの人でも利用しやすいように開けた場所に設置することは好ましい。室内など段差がある場所よりも、屋外で平たんな場所であった方がアクセシビリティは向上する。入り口も分かれていた方が長い行列ができず移動がスムーズに行える。
さらに、女性トイレは行列ができることが多いため、多くをジェンダーレスのトイレとすることは理にかなっている。世の中は男子トイレにずかずか入り込めるおばちゃんばかりではないのだ。
このように、デザインというものは実はほめようとすればいくらでもほめられる。Xでくだらない喧嘩が続く理由かもしれない。「なぜこれらのトイレが作られたのか?」は察してあまりあるところがある。じゃあ何がいけなかったんだろう?
テスト
万博の問題は間違いなくこのステップである。上記の通りスーパー使いやすいトイレを設計したとして、それは机上の空論でしかないのだ。やってみないと見えてこないことは意外と多い。ボタンの位置が高すぎたために、車いすの人がエレベーターに閉じ込められた事件は結構有名である。このシンボルは伝わりやすいか?、各トイレに並ぶシステムは本当に流れがスムーズになるのか?、ジェンダーレストイレを女性がどの程度利用するか?などを実地で確認する必要があったのだ。まぁ今回のはやる前にわかってほしい部分も多々あるけど。
このテストのステップではトライ&エラーを繰り替えして、目標を達成できることを確認する必要がある。みんな大好きPDCAサイクルだ。これをバリデーションという。仕事でやると超だるいんだけど他人の成果物をみると大切さがよくわかる...
こういう誰の目にも明らかな失敗ケースから原因を読み解くことのほうが勉強することは多い気がする。