「誰かの人生の、分岐点になる広告を。」というコピー

川手 遼一
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弊社の Web サイトの TOP にある「誰かの人生の、分岐点になる広告を。」というコピーについて、個人的に思うことがあるのでメモしておこうと思う。

https://www.kwm.co.jp/

もう10年近く前の話。当時はまだ就職難の風潮で、当時就職活動をしていた大学生の間には暗雲が立ち込めていた。

自分はそういった暗雲立ち込める空気が嫌いなタイプの人間なので「であればそんなこと(就職活動)はしたくない」という一心、現実逃避し当時話題の SNS であった Facebook や Instagram のタイムラインばかり見ていた。

そしてタイムラインの中で、たまたま Wantedly の広告が目にとまり、なんとなくアプリをダウンロードし、当時「大学で学んでいること(マーケティング)が活かせる仕事をしたい」と考えていた自分は、大学からほど近いところにある「マーケティング」という文字を社名に含む会社をいくつかチェックしてリアクションボタンを押し、そのうちもっとも返信が早かった会社に出入りするようになる。

その会社は当時「キーワードマーケティング研究所」と呼ばれていた。

新卒1年目の時の川手。当時はもさもさヘアーでした。

Facebook でたまたま見かけた広告が実際に人生の分岐点となった自分が、実際に広告を作り人生をの分岐点を作る側の立場になった。

そしてその後、広告を作る中で確実に「他人の人生に介入している」という実感がある。

例えば自分は、起業家を支援するプロダクトの広告運用にプロダクトの立ち上げから長年携わらせてもらっている。

その案件だけでも、数年で600名以上の個人事業主の誕生に寄与している。

ほかにも、自分が実際に作って配信した広告が起点となり、とあるエンタープライズ企業に SaaS プロダクトが導入され、結果全社導入となり数万人がその SaaS プロダクトを使用するようになった例を目の当たりにしたことがある。

このような例は、正直挙げていけばキリがない。

勘違いしてはいけないのは「広告は確かに人生の分岐点になりうるが、分岐点は所詮は点でしかない」ということ。

例えば、自分は Wantedly 経由ではじめてキーワードマーケティングにきた際、たまたま対応してくれた方(Sさん)が帰り際に「あ、そういえば来年の年始ぐらいからインターンを取る?みたいな話があるんですけど...エントリーします?」と声をかけてくれたからこそ、今がある。

起業家を支援するプロダクトの広告運用に関しても、単純に広告が600人の個人事業主を生み出したわけではなく、クライアントによる熱心なサポート体制や、事業そのものを様々な形で支援している人たちによる尽力が生み出したものだ。

SaaS プロダクトも広告がすべて決め手となって導入されたわけではなく、広告から入ったリードをエンタープライズに特化したセールスの精鋭部隊がいち早く把握し、細心の注意を払いつつ商談を進めていき、「お願い」や「お約束」をしっかり守り抜いたからこそ受注につながり、そして CS 担当者の涙ぐましい努力の結果、全社導入に至っている。

数ある人生の中には、広告を起点に壮大な物語がはじまるものもある。

ただその壮大な物語のうち、広告が占める割合は0.0000001パーセント未満で、物語の大半は偶然や誰かの献身的な支えによって成立している。広告は壮大な物語の冒頭文の一部にすぎない。

しかし、冒頭文がなければ物語がはじまらないように、広告がなければ始まらない物語があるのもまた事実。

「誰かの人生の、分岐点になる広告を。」というコピーを見るたびに、今日も自分は誰かの壮大な物語の冒頭文に携わっているという実感がある。

今のところ、自分はこれ以上に面白い仕事を知らない。

@rkawtr
PPC-LOGという個人ブログ、キーマケLabという広告メディアを運営している Web 広告運用者の川手です @RKawtr 山もオチもない、取り留めのない話をしずかなインターネット上に掲載しています。 ppc-log.com kwmlabo.com