人に近づくAIエージェントの面白さ

らくだ
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公開:2025/3/14

最近生成AIを活用したサービスが色々出ている。

ソフトウェア開発だと今まではGitHub CopilotとかChat系サービスが主流だったところ、2024年後半ごろ(?)からClineやDevinのような、より広い責務を持たせられるツールが登場してきた。いわゆるエージェント系のAIサービスだ。

人間と比較され始めるAIツール

責務が広がってやれることが増えて、人間っぽさが増している。Devinなんかは特に、Slackをインターフェースにできたり、動作もローカルではない別の場所だったりして、より人間らしさを出していると感じる。

こうなると面白いのが、企業で導入検討するときに「これで社員何人分の働きをするか?」と考え始めるところだ。月額料金を月給と比較したり、時間で割って時給と比較したりする。要はツール予算ではなく人件費予算と戦うわけである。

企業の意思決定者としても、例えば社員全員分のChatGPT有料プランに課金する投資対効果は?と言われてもロジックの組み立てに苦労するが、Devinは何人分の働きをするか?と考えるととても説明しやすくなる。

Devinがここまで意図しているのかどうかは不明だが、とても面白い現象だなと思った。

とはいえ、デメリットもありそうだなとも思う。

人にはなりきれないAIツール

DevinもClineも、人っぽく振る舞ってくれるからこそ人っぽく接してしまいがちで、人と同じ働きを期待してしまうが、現状ではなかなかそれには応えられない。

指示は明確でないといけないし、背景情報もすべて言語化しないといけない。不明点を整理して向こうから質問もしてくれないし、一度言ったことをずっと覚えているわけでもない。

あくまでAIを活用したツールであって、それに合った使い方をする必要がある。人だと思って接すると失望しかねない。

人っぽく仕立て上げるからこその弊害とも言えると思う。

ツールとしていかに活用するか

そんなエージェント系AIだからこそ、あくまでツールとして捉えてどう使っていくかを考えたい。

ChatGPTは登場したときには話題になったが、「結局嘘ばっかりつくからダメだね」となって終わる人と、「じゃあどういう用途なら上手く使えるんだろう」と考える人で、現状で既に生産性やできることには大きな差ができている。

エージェント系AIツールも同様で、常にどう使えるかを考えながら、適材適所で最大限に活かしていくという姿勢が必要だと思う。

@rkd3
IT系スタートアップに所属。エンジニアとか研究者とかマネージャーとかそんな感じの人。一児の父でもある。日々の思考をゆるくまとめる。Blueskyもやってます: bsky.app/profile/rkd3.dev