三軒茶屋 生活工房にて。
買い出しに外出し、帰宅しようとした矢先にApple Watchの充電が切れた。財布を取り出すと現金がない。仕方ないのでATMを目指す道中で、世田谷生活工房のポスターを確認。
毛糸ではないのけれども編んでいるものがあるので、ちょうどいいタイミングかもしれないと思い寄ってみることにした。
編み機の歴史と家庭用編み機の普及をたどる展示。大きな編み機たちがいくつも並んでおり、編み機が仕舞われていたであろうメーカーのダンボール箱にも年期がある。
展示什器の素材である白みのある角材がDIY的な印象をだしつつ、抜けのあるボックスの連結で展示物をぐるっと回って見られる展示会側の配慮を感じる。ガラスに貼られた曲線のグラフィックと字間の取り方も場の抜け感と合っていた。
立体物の展示は360°じっくり見られるように展示物との距離感が設けられていると、第一印象とは違った部分もじっくり観察出来るので好きだ。この展示もかなり小規模なスペースながら会場の主導線はしっかり確保してあるため、ゆっくり進みながら見ることができた。
編み物の作品はどれも平面のように見えるが、身体などに沿うため(とは限らないものもあるが)の柔軟さがあるため、皮くらいの厚みの立体とも取れる。(生活に馴染みすぎて服を立体物と意識してないのかも。)
優しく、儚い印象を持つ作品が多いが、中でも街のフィールドワークからアイデアを得たニット作品が、着眼点や昇華のアプローチとして好きだった。その街から得た情報、ものことを作品として起こし、その土地の人に身につけてもらうときに作り手と着用者(その街の人間)の間で一体どんなコミュニケーションがあったのかとても気になる。
と思ってキャロットタワーを後にしたのだが、改札前で電車賃分の現金を下ろしていないことに気付いて1回休み。