最近打ち文字しか見てないかもしれない。と思いはじめたら、もっとメッセージ性が溢れた文字を見たくなった。21_21かgggか…と悩んでいたが、大原大次郎さんの展示で先行販売されている作品集がどうしても欲しくなったので急遽銀座へ。
元々出不精であったのにコロナ禍以降、加速。最近は貯蓄も考慮して様々なイベントを避けまくっていたが、派手なショーウインドウに集まる人々を見て、どうやら世の中と自分の距離は離れてきているかもしれない。と思った。
人も建物もとにかく眩しい銀座の歩行者天国を新橋方面へと歩く。久々に行くgggに辿り着けるか不安だが、足が向かう方向に身を任せていたら到着。案外覚えているもので拍子抜け。
中に入ると組み木の什器で作られた空間にたくさんのラフスケッチが作品と共に並べられていた。今すぐに飛びついて眺めたいという気持ちを抑えつつ作者挨拶のキャプションをゆっくり読む。最近はキャプションを作者からの手紙だと思い読むようになった。そうすることで展示空間がいっそう特別なものに見える気がするのだ。
すべての展示室に膨大な数のスケッチがあり、試行錯誤があり、それらを見られたことだけで大満足だった。
会場内に作られた小屋のなかで腰を落ち着けながら、壁に展示されたスケッチを眺める。絵が上手い人のスケッチは驚くほど綺麗で、線に迷いがなく見えるので、観る側からしても非常に見やすい。いつか自分もこんな迷いのない線を描けるようになりたい。
あらかた見終わり出入口付近でお目当ての作品集とご本人に遭遇した。作品集を購入すると好きな文字をその場で描いていただけるらしいので、RNSの3文字をお願いした。どきどきしながら見ていると、小さな製図用定規とサインペンであっという間に自分の名前が作字がされた。流れるような動作だったので、自分もそんな風に描いてみたい!と思い、帰りは渋谷のハンズへ。同じ製図用定規を購入して帰路に着く。
帰宅し、夫に展示がすごく良かったこと、自分の名前を作字してもらえたことを伝えると「そうか、良かったね」と何故か満足気。弊家では毎週どこかへ遊びに行くとお小言が飛んでくるが、何故か展示に行くことは特に何も言われないので不思議だなあと思う。