解脱

michi
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一昨年の夏に大いな裏切り(自分の期待が大きかったせいでそう感じているに過ぎないが)を受けて以降、長いこと憎しみに近い執着を抱き続けていた事柄に、今日ふと、そうでもなくなっていることに気づいた。

これ以上ここにいては憎しみで包丁を振り回してきれいな思い出も全部血まみれにしてしまうと思って家(鍵アカ)に閉じこもって1年と4ヶ月。どうにかしてこの執着を断ち切りたいと思っていたのだが、たぶん、もうわたしのなかにその執着はない、と思う。最初は気を逸らしたいというちょっと不健全な理由でいろんな別のコンテンツに足を浸けにいっていたけれど、最近はただ楽しいから他コンテンツを遊んでいる。健康だ。

ただそうやって、自分のなかで他の居場所が大きくなるほど、執着だけじゃなく、当該コンテンツに向けるすべての感情がほぼほぼ失われてしまった感じがする。ほんの少し残ったライターさんへの信頼で、たのしみだな〜と口にはしても、たぶんもう能動的に読みに行くことはない。現にもう何ヶ月も新しい話を読んでいないし、ここ1ヶ月くらいはログインすらしていない。下世話な話で恐縮だが、かけたお金のことを考えるとゲームそのものを消してしまうのは勿体無いと思うのだけど、本当にそれくらいしか感情がない。コンテンツから足を洗うってこんな感覚なんだなあとしみじみ感じ入ってしまう。

憎しみが消えたことで、そこに費やした時間も黒歴史(という言葉は好きではないが、代替の言葉が思いつかない……)にならずに、きれいなまま収まるところに収まった。2年前の夏に望んだ「美しい過去にしたい」という願いはほぼほぼ叶ったと言える。同時に、わたしのなかでこのコンテンツはもう過去のものとなってしまったんだなという寂寥感もある。

しかしすたまいが自分のなかで潰えても、あんぜろの客をまだやめるつもりはないので……こりーの客ではまだあるんだよな……こりーの客であるうちにすたまいがオッと言わせてくれる展開があればいいな、とは思うけど。皆までは言うまい。

  

さいごにweb再録でも作るかと思って書いてきたデータを一箇所に集めながらタイトルを考えていた。この本のことを考えるとなんとなく墓石のイメージが頭に浮かぶからいろいろ調べてたら、石碑ってステラって言うのやね。星と同じ音を持ってるの良だなと思っちゃった。このタイトルの本が出たら、墓建てたんやね……と思ってほしい。