植物に水やりするために蛇口ひねっていたら手に柔らかい感触があった。なんだろうと視線を落とすとカエルがぴょん、と跳ねた。
土や砂のあたりにいたのだろう、まだ灰のような無彩色といった色で、頭のあたりはうっすら緑になっているカエルだった。かわいい顔をしている。
ひと通り水をやって戻ってきてもカエルはまだそこにいた。喉をプクプク動かしている。カエルもせっかく出てきてるしな、とホースの先をミストに変えて遠めに水をかけてやった。正直喜んでいるかはわからないが、逃げないところを見るに嫌ではないと思いたい。少しでも涼んでくれたら幸いだ。