好きなこと

六萬
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1. 何となくで進学

世間一般には青春とされる3年間。僕はそれを工業高校に捧げており、周りには早くに将来を決めた人間が多くいる環境だった。というのも、工業高校は卒業後の進路として『就職』を選ぶ生徒が大半であり、就職のために入学してくる人が多いような学校だった。

そんな環境の中、僕は就職ではなく『大学への進学』を考えていた。 学校全体の方針として就職を前提としたカリキュラムが組まれた3年間を過ごす中で、よくぞ進学を決意したと今でも自分を褒めたい。正しくは、考えとしては「進学したい」ではなく「就職したくない」に近かったかもしれない。 社会のことを何も知らないような状態で自分の一生を決めるような選択をする責任を、18歳の自分ではとても背負いきれそうに無かった。

自分がどんなことをしたいのか。高校生時点では何も考えられてないし、したい仕事も考えられていなかった。そもそも工業高校にはプログラミングを勉強したくて入学したが、別にそれだけだ。高校を卒業してすぐに就職したい、などとは全く考えてはいなかったし、3年間で気持ちが就職に傾くこともなかった。

もともと何となく「クリエイティブなことがしたい!」という気持ちが強かったので、デザイン系の大学に進学することを決めた。考えてみれば、高校も大学も、その時やりたいことだけで選んでいるような気がするし、そういう選び方を許してもらえる環境だったことには感謝したい。

2. 将来のために知りたい『自分』のこと

大学に入ったはいいものの、ここを卒業となればいよいよ先延ばしにしていた『就職』が待ち構えている訳だ。もともと高校卒業の時点で就職したくなかったのは、自分が何をやりたいのかを理解できていなかった事が大きい。そうでなければきっと流れに飲まれて就職していた気がする。

ともかく、将来のために自分のことについてもっと知っておかなければいけないと思い、休日を通して考える機会があった。

結論から言えば、

『人を楽しませられる空間を作ること』

が恐らく好きなことの一つであるのだという事が分かった。

休みの日や空いている時間に何をしているのかを考えた時に、Minecraftでのゲームマップ作りや友人との雑談に時間を割いている間は、時間があっという間に過ぎるような感覚があった。自分の中に落とし込んだ共通点として、『他人に楽しんでほしい』が前提にある。

どこを工夫すればより楽しく遊べるマップになるのか。ワクワクさせられる空間を作れるのか。

どう話せば盛り上がる内容になるのか。下らない会話をいかに楽しいものにできるか。

Minecraftや雑談が好きなのは分かった上で、『なぜそれが好きなのか』を考えた先にあったのは、人に楽しんでほしいという考えだった。自分が提供したもので相手を楽しませられることがモチベーションの一つになっていると気づいた。

自分の中で軸・芯になっている考え方の片鱗を、弱冠二十歳にしてようやく捉えることが出来た。

気がする。

他にもすることはあるし動機も1つじゃないが、『少なくとも』というやつだ。

3. これを書いてて思った気づき

少なくとも自分の『好きなこと』を知ることは悪くないことだとは思う。

何となく思ったのは、『好きなこと』は自分の 状態を把握できるセンサーになる気がする。

自分の中での『好きなこと』をやっていても楽しくない、辛いと思うようになってきたら、多分それは疲れている証拠で、心に負担がかかっているという証拠になるんじゃなかろうか。

あと多分、ゆっくり寝て何もしないで過ごして、その中で何となくやりたいと思えたこと。それを仕事とかにはしない方が気がする。

『本当にやりたいこと』は好き嫌い関係なく、自分のタイミングで自由にやれるようにしといた方がいい。これを仕事にしてしまうと多分一生休めなくなる。

@rokuman
重箱の隅をつつく様に