あたらしい家中華

ruibee
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『あたらしい家中華』というレシピ本が評判なので買ってみた。

平均的な日本のキッチンでも再現できるようなシンプルな食材や用具のみを使って作れる中国の普通の家庭料理を紹介している本だ。

試しに、レシピ通りに肉野菜炒めやスープをつくってみると、うまい。

食材や道具はいつもと変わらないから、これは純粋にレシピの手柄なのだろう。

特徴といえそうなのは、肉や卵を鍋で炒めた後にいったん皿に移してから野菜などを炒め、最後にまた鍋に戻して味を調整する、といった細部の手順と、ネギ・生姜・ニンニクあたりの薬味をケチらないで使うという点だろうか。

その程度のことだが、ディティールを注意して行うことで自炊中華の味がぐっとレベルアップしたような気がした。

気が大きくなったので、見切り品で半額になっていた鶏を丸ごと一羽ぶん買うということをした。鶏は一羽で2キロ弱だった。

内蔵を取り出されて空っぽになった腹にネギ・生姜・ニンニクのみじん切りを詰め、沸騰した湯で満たされた寸胴鍋に生前の姿を想像しながら投入し、2時間弱火で煮込むと、しっかりと旨い大量の肉とスープが手に入った。

一日目は胡麻だれで、スープにみりんと麺つゆを加えた蕎麦と合わせて食う。

二日目はスープに冷や飯と卵を投入し、親子丼風の雑炊に。

三日目はトマトと卵のスープにした。

一羽の鶏で三日の間幸福感が続いた。大したものだ。