2023-12-27

rw
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精神的に実家を持たないと心細く感じる。物理的には存在しているわけだが、中身が空っぽの家屋のように思える。帰れば仄かに安心感はあるのだが、慣れた匂いや空気感に対する感覚のようで感情とは乖離がある。そういう感覚を覚え始めたのは大学に入り実家を出てからだった。家という共同体は価値観の醸成所なので、外の空気を吸うことで今まで歪な思考に毒されていた自分に気付くことがある。それから身に付けた価値観が家と衝突することもある。家はやはり共同体なので、そこからはみ出てしまうとなかなか戻れない。まして、はみ出た者自身戻ろうとは思わないだろう。

精神的に実家を持たないと心細く感じる。家族はいても温かみは感じられない。離れていれば意識の外にある存在なので気を保つのに苦労しないが、相容れないことを少しでも思い出すとアイデンティティがぐらつく。自分の意識に作り上げられた家族の像がその価値観で以て自分を責め立てる幻想を抱く。

思いやりや親切心、助け合いの精神と呼ばれるものの義務化は形骸化を招く。しかし実利で得をする側は存在する。本来、主体性のもとに意味が担保されている行為を求めるのは搾取にほかならない。搾取する側・される側という勢力図が家の中で発生するのだとしたら、もはや家出するしかあるまい。

郷愁を餌に供出を促す手口は凶悪と言わざるを得ないが、コスパは良さそうなので生存戦略的に理に適っている気もする。人格は疑う。やり口がカス。

@rw
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