プロダクトとマジシャンのショー

みやつこ
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今自分は一回こっきりの開発ではなくプロダクトの開発に関わっている。

長期的な視点で、かつユーザーの目線に立って開発を続けていると、マジシャン時代のことを思い出す。

プロマジシャンと言っても色々な人がいる。

よく質問されるのが「どのくらいのネタやレパートリーを持ってるの?」という質問である。

答えは色々あるが、僕の場合は「どのくらいの粒度からネタというかによるが、自分の定義の中で言えば正直数えられないし、数えたこともない」になる。

どんなマジシャンでも数えきれないほどのネタを練習し勉強していることは確かだ。

ただし実際に客前で披露できるものとなるとその数はグッと下がる。

僕の場合はショー単位で言えば3つだけ。

この3つのショーはいくつかのネタで構成されているんだけど、ほぼ毎日ずっと同じネタをお客さんに見せ続ける。

毎日ネタを変えたりはしなかった。

なぜかというと本当に自分のスキルやショーを改善しようと思うと新しいネタをやるタイミングなんてほとんど訪れないからである。

1日の終わりに台本の調整をしたり、ネタの構成を少し変更してみたり、体の角度やマイムの表現を調整したりする。

そういう小さい改善を繰り返して1つのショーは人前で披露できるものになっていく。

そして永遠に完成はしない。

そういう意味でプロダクトに向き合うというのはそういうことに近いのかなと思った。

ユーザーやプロダクトのビジョンに向かって素早く少しづつインクリメントをしていく。そして理想に一歩ずつ近づいていく。

色々なサービスを数打ちゃ当たるではなく、一本通った芯に沿って開発していく。

少しだけ似ているような気がして嬉しくなった。

@ryochang
好奇心で駆動しています