これまでIPテストしか経験がなかったが、今回初めてTOEIC公開テストを受験した。
田舎の会場だから人も少ないだろうと舐めていたが、実際に会場に入ると100人を超える人だかりがホテルのワンフロアにひしめき合っていた。
若い人だけではなく年配の人や自分よりも全然年上の人達が思っていたよりも多くて驚いた。
ふと、大勢と一緒にテストを受験するなんていつぶりだろうと思った。
多分高校受験の時が最後。しかも高校受験の時はさらに田舎の会場で10人程度しか会場にはいないかった。
そう考えればこんな大勢の中で受験するのは初めてと言っても過言ではない。
緊張を少しほぐすために喫煙所に思わず駆け込んだ。
中には中年のサラリーマン数人が今抱えている仕事について話し込んでいた。
少しだけ日常に戻れた気がして落ち着いた。
そうこうしているうちに受付時間になり試験が始まる。
結果は惨敗。
英語力を測るまでもない。何も理解できていなかった。
ページを捲る音、妙に反響するスピーカーの音声、頭を掻きむしる目の前の受験者。テストのことよりも周囲の環境の方が記憶に残っている。
悔しい気持ちも湧かないくらいの惨敗さ加減なので、帰りの車の中でこれから本腰を入れて勉強するか悩んだ。
車の中で決めた目標は年内に800点を越えること。
かなり欲張っているが、できないこともないだろう。
行きでは左右に揺れていたワイパーは帰りには一度も動かなかった。