Zettelkastenのメモを掛け合わせるために週報をやってみた

ryros
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公開:2024/12/17

この記事で言いたいことをまとめると以下の通りです。

  • Zettelkastenでメモ同士を関連づけて新しいメモを作成する手法が習慣化できなかったので、週報の形で実践してみた

  • 週報を定期的に書いてみたら、思考を抽象化して共通点を探すことによって新しいメモを作成することができた

  • 「メモを関連づけでメモを生み出すこと」を目的にすると手段が目的化してしまうので、目標となるアウトプットを設定して、それを作成する手段としてZettelkastenをどう使ってみようか?を考えられると良さそうだと思った。

ここではZettelkastenについて実践してみたことをつらつらと書いていきます。Zettelkastenとは何ぞや?と言う方は、こちらを先に見ていただくことを推奨します。

ではやっていきたいと思います。


週報を始めたきっかけ

Zettelkastenという知的生産術に興味を持ち、生活に取り入れようと試行錯誤していました。Zettelkastenでは、既存の知識やメモを組み合わせることで、新しいアイデアを生み出すことが基本です。しかし、実際に複数のメモを眺めて思考する習慣がなかなか身につかず、思うような成果が出ませんでした。

そこで、「週報」という形式を取り入れることを思いつきました。週報にした理由は以下の3つです。

  • 定期的なアウトプットが必要だった

    今年の目標が「アウトプット量を増やすこと」だったため、文章を書く習慣を持ちたいと考えました。

  • 週報への憧れがあった

    他の人の週報を読んだ経験があり、その中でも特にサリチル酸さんのような週報に憧れがあり、定期的に進捗を整理する方法に魅力を感じていました。

  • メモを習慣的に関連付ける方法として最適だった

    一週間を振り返ることで、メモを見直し、Zettelkastenの核である「メモ同士の関連付け」を自然に行えると考えました。

こうした理由から、簡単なテンプレートを作り、そこにメモや日々の出来事をまとめる形で週報を始めました。


体験をより抽象化する習慣を得た

週報を書くことで、予想以上に多くの成果が得られました。特に以下の2つのポイントが顕著でした。

  • 思考の抽象化と俯瞰

    毎日書いている一行日記を週単位で振り返ることで、日々の思考をより抽象化できるようになりました。一日ごとでは気づかなかったパターンや新しい視点を発見する機会が増えました。

  • 自分の興味関心の再確認

    その週に読んだ本や記事、そしてそれに対する感想をまとめることで、自分が何に興味を持っているのか、どんな動機で選んでいるのかを振り返ることができました。結果として、自分自身を客観的に見つめる習慣が生まれました。

これらの効果から、週報を書くことがZettelkastenのメモ術としても、自己理解の手段としても有効であると実感しました。


複数のメモをまとめて関連性を見つける

週報を続ける中で、Zettelkastenのメモ術には大きく2つのアプローチがあると考えるようになりました。

  • メモを深掘りして関連性を見つける

    一つのメモを繰り返し読み、新しい問いを立てて新しい視点を引き出す方法。

  • 複数のメモを統合して関連性を見つける

    複数のメモを並べて眺め、共通点を抽象化して一つのテーマにまとめる方法。

私は特に後者の方法を週報の中で実践しています。一週間分のメモをまとめて関連性や共通点を探り、それを基に週報を作成することで、新しいアイデアが自然と生まれる仕組みを作ることができました。


アウトプットを目的としてメモを見直すと発見があるかも?

Zettelkastenを習慣化するために、アウトプットの目標を明確に設定することが重要だと感じました。「メモをつなげること自体」を目的にするのではなく、「何を生み出したいのか」というゴールを決めることで、メモ術の意義が明確になり、継続しやすくなります。

例えば、「読書感想文を書く」と目標を決めると、読書中に得た気づきをメモし、連想する情報をZettelkastenの他のメモから見つけて関連付け、最終的に感想文としてまとめる、といった流れが自然に生まれます。連想するエピソードや情報は、元になる本や動画などのURLを明記することによって、より情報の掛け合わせを意識できるかもしれません。

Zettelkastenは知的生産術の一種ですが、言い換えればアウトプット術ともいえると思います。「Zettelkastenを試してみたいけどメモ同士を上手くつなげることが習慣化できない」、「メモとにらめっこしても思ったようなつながりが見つかってこない」というのであれば、まずは具体的なアウトプットを目指してみるとよさそうです。