ブルク13で鑑賞。
話の発端となった災害(?)の正体は最後までわからないまま物語が進む。だがそれがいい。こういう何が起こったのか分からないけど登場人物たちが生き残るためにワチャワチャする話は個人的に好みだ。
ヨンタクを演じるイ・ビョンホンはハリウッドにも進出している大スターだが、この作品ではしっかりオーラを消して冴えないおじさん感を出している。
ヨンタクがアパート(日本で言うところのマンション)のリーダーとして担がれ、周りも巻き込んで徐々に狂気に侵されていくのだが、カリスマ性とか隠れていた才能を発揮するとかいう印象はなく、普通の人が異常な状況下で人間性を失っていくという感じ。最初アパートの住人たちははコミュニティの秩序を守るために行動していたはずが、徐々に排他的な思考が強くなっていく。あるシーンで住人たちの「ゴキブリを退治した」という台詞があって、最初本当にゴキブリが出たのかと思っていたが、よく考えてみると彼らはアパートの外にいる人たちのことをそう呼んでいるらしい。怖い…。ウィリアム・ゴールディング『蝿の王』を思い出した。
鑑賞後は野毛の「立飲処 桐のや水産」で立ち飲み。日本酒が300円から飲めて、つまみは300円均一。軽く1〜2杯飲んで行きたい人には良さそう。