『福田村事件』を観た(ネタバレあり)

ryu22e
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シネマ・ジャック&ベティで鑑賞。

昨年公開された作品だが、アンコール上映されていたので観てきた。

登場人物は全員弱者。こいつなら攻撃していい、搾取してもいいという内輪のロジックに依存する世の中の構造を背景として描いているように感じた。被害者である行商人たちでさえ、人の弱みにつけ込んで効き目のない薬を売りつける商売をしている。

ラストのどう転んでも有罪になる魔女裁判のようなやり取りが観ていてキツかった。劇中の混乱に影響されてこちらも感覚が麻痺しそうになるが、そもそも行商人が日本人が否かということが問題ではなく、行商人の親方が言う通り、朝鮮人であっても殺してはいけない。自分たちが殺した相手が実は日本人であったことがわかった途端、「国が自警団を作れと言ったじゃないか、我々は村を守りたかっただけだ」と被害者意識を丸出しにする村人たちは醜悪だが、ごく普通の人が凶行に走るというのはこういうことなのだろう。

男の子なら望(のぞむ)、女の子なら望(のぞみ)と名付けようと言われていた生まれる前の子供が母親と共に無惨に殺されるという、なんとも救いのない話だった。正直、かなり気分が落ち込んでしまった。一昨日観た『マダム・ウェブ』はイマイチだったものの鑑賞後感は悪くなかったので、観る順番を入れ替えた方が良かったかもしれない。この気分で明日から月曜日なの……。

鑑賞後は日出町のサイゼリヤで夕食。

@ryu22e
映画鑑賞、格闘技観戦、立ち飲み屋巡りが好きです。