ブルク13で鑑賞。
広島、長崎に原爆が落とされたシーンは一切ないところを批判する意見はあるかもしれないが、オッペンハイマー自身は現場を見ていないはずだし、彼自身の主観で描かれる物語としてはこれでよかったのではないだろうか。山崎貴監督が『オッペンハイマー』のアンサー映画を作りたいと言っているようだが、日本人としては別の視点で同じテーマを描いた作品を観てみたい。
原爆投下後は英雄として称えられるものの、自責の念にかられるオッペンハイマーの心理の描き方が上手い。原爆開発プロジェクトに関わったメンバーたちの前で成功を祝うスピーチで「今日は世界にとって忘れられない日になる」「ドイツにも(原爆を)落としたかった」などと勇ましいことを語るが、目は虚ろで動揺したような表情。メンバーは歓声を挙げる中、原爆実験で見た凄まじい光と爆音がフラッシュバックする。彼の苦悩が伝わってくるシーンだった。
鑑賞後はぴおシティの「焼売のジョー」で立ち飲み。