久しぶりに東京丸の内・丸善に行くと、これが目に入った。直木賞作家の青山文平さんは、わが社のOBだ。
私が入社した1992年には、すでに退社されていたが、わが社の仕事をよくされていた。もともとはコピーライター、ときにはゴーストライター、つまり財界のトップなど忙しくて書けない人を取材して、その人の話を1冊にまとめるという仕事もされていた。
私は2回ほどご一緒したことがある。ある電子メーカーの社長に関係する仕事で、ご一緒だった。
「そうかー、フクダくんは長崎かあ。ぼくは横浜の生まれだから、言葉が標準語しかない。フクダくんは方言もあって標準語もあって、いろんな思考ができるからうらやましいなあ」
と言われたことを今でもよく思い出す。
わが社では「天才肌」の人と言われたが、直木賞を受賞されたのは確か68歳の時。歴代最年長だったはず。必ず最年長と言われて、たぶん影山さん、あ、青山さんは「年寄り扱いするんじゃねー」とむっとされていたのではないか。