コーチングの歴史とエサレン研究所が台風の目となった人間性回復運動は切っても切れない関係性だ 行き過ぎた資本主義や科学万能主義への警告という文脈は1960~70年代も今もさほど変わらないのかもしれない
行き過ぎた資本主義や科学万能主義の深層には、ディープデモクラシーの欠落があるだろう 何かが力を持ち過ぎたり、持たな過ぎたりしているのだから
コーチングは、これらの課題の解決策として切り込む直感がある しかも、対症療法ではなく、真因解消として もちろん、用法と用量さえ守れば
コーチングを通して社会貢献をしたい、より具体的に社会課題解決に取り組みたいというソーシャル志向のコーチが一定いる なんなら成長主義に囚われたコーチの方が少なくも見えるが、それはコミュニティバイアスなのだろうか
いずれにせよ、ソーシャル志向・インパクト志向のコーチが一定存在していることは頼もしい どんどん増えてくれとも思うし、増えるお手伝いをSocial Coachでやっているとも言える
一方で、少なくとも100人はソーシャル志向コーチと1対1で話してみて思うことがある インパクト評価でいうところの「スーパーゴール」はあまりに明瞭で熱がこもっているのだが、それらを「インパクト」「中期・短期アウトカム」と落とし込む思考と実践が十分なコーチはなかなか会うことができなかった
これらの項目はいわゆる「ロジックモデル」と言われるものだ もちろん可変のもので、静的にカチッと決まる類ではない それでも、ロジックモデルの形式をヒントに自分のイニシアチブを思考しておくことは大変な価値がある しかも、いくつもある
価値1:実現したい世界と現在の活動との間にハシゴがかかる 現在の活動の蓄積の上に実現したい世界があるはずだと考えるのはさほどおかしなことではないと思う ただ、だとすれば、なぜこんなにも世界は残酷なんだろう
価値2:中期的(通常4~6年)程度の目標を設定する上で、ヒントが得られる サービスの受益者の短期的な変化が、どのような道を辿ってインパクトになるのか それを考える上で今自分の解像度がどれくらいなのかがわかる すらすら出てくるのか、からっきしなのか、とか
価値3:連携・協働のコミュニケーションの対話や合意がしやすくなる 見える化されたプランなので、誰とどう連携・協働するかを考えるのにも役立ち、連携した人と対話、時に対立するときにも地図となってくれる
価値4:ロジックモデルが進化することで、変化を実感できる ロジックモデルは実際にインパクトスタートアップやNPOが作成した場合も、時間と共に大幅にアップデートされる これは自分たちが課題と解決策に対してどれくらい知恵を重ねてきたのかの証拠の一つとなる これが案外うれしい
価値5:自分の情熱ある取り組みが、実はある社会課題解決につながっていたことに気づく 社会課題解決を行う起業家の中には「当初は想定していなかった課題」に気づき、取り組むこともある これは、自分の可能性をある意味広げてくれるもの
などなど、適当にあげても5つあったので、価値には事欠かない それに、厳密にインパクト評価を行うわけではなく、「ヒントを得て活かしてみる」くらいでいいわけだ つまみ食いが一番おいしいのが世の常
まあなんせ、一つのツールとしてロジックモデルはパワフルですよ!というお話でした