冬の夜行バス0泊旅行 多動オタクのための手引書

s44they
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公開:2025/3/2

これまで何度か夜行バスで往復する旅行をしてきたが、今回初めて真冬に0泊旅行をしたため簡単に手引書のかたちで書き残しておく。

(ライブ・観劇などを目的とした旅行、つまりいわゆるオタクの“遠征”を想定した記事だが、倫理的観点から戦争の語彙である“遠征”は当記事・また今後の筆者の記事では用いないことにする。)

これは筆者のようにADHDの(疑いがある)人や、身だしなみに命をかけていないある程度適当なところがあっても大丈夫なオタクが旅先で困らないことを目標にしているので、もっと上を目指すかたはもっと本気で準備することをおすすめする。また、夏は着替えないわけにはいかないので、あくまで真冬向けにタスクを限界まで削った用意であることを念頭に置いていただきたい。

まず今回の旅行の主目的は2/24の夕方に開演するM-1ツアー大阪3部を見ることだった。経済的観点からバスでの往復をすることに決めたが、バス予約の前に決めるべきことが3点ある。

・朝どう過ごすか

梅田に8:20に到着し、それから開演まで10時間をどう潰すかが課題だった。前もって周辺の24時間または早朝営業スポットを数か所調べておき、どこでメイクをするかも考えておく。

・バス降車→会場までのルート

会場まで概ねどれくらいかかるか、交通手段はどうするかを決めておく。朝はとりあえず降車した梅田周辺で落ち着きたかったので、早朝に走っていない路線バスなども使える。今回は節約と時間潰しを兼ねて会場まで40分歩いた。

・会場→バス乗り場までのルート

帰りのバスは概ねの終演時間と移動時間を予想した上で、そこから+1時間くらい余裕を見た便を予約した。今回のケースではバス乗継と徒歩であまり所要時間が変わらなかったので帰りも歩くことにし、時間があったので途中で食事もできた。

また、バスを予約するときに注意すべきことがいくつかある。まず、WILLER EXPRESSのピンクのバス以外の4列シートには基本的に乗ってはいけない。観光バスタイプとかエコノミーとか書いてあるやつは文字通り観光バスなので、仕切りとかフットレストとかが何も無い。コンセントとブランケットもないことが多い。WILLERの4列バスは全部あってすごい。観光バスの夜行運行はこの世でLUUPの次に邪悪な乗り物である。でも安い。そして、到着後に朝早くから滞在できる場所が確実にあるなら、出発時刻が早いバスを選んで深夜に長時間待たなくていいようにしたほうがいい。これは今回ほぼ唯一の反省点である(池袋23:40発を選んでしまった)。個人的に、サンシャインシティ文化会館1階の待合は雰囲気が最悪なので長居したくない。

タイムスケジュールが決まり、バスを予約できたら、何を着ていくかと持ち物リストを作成する。出発日に夜バスに乗る以外の用事がないなら、当日の午前中に準備を始めても大丈夫。筆者も当日朝何も準備が終わっていなくて頭がぐちゃぐちゃになっていたが、何をすればいいかリストアップしたら落ち着いた。幸いなことに準備のミスもなく、無事帰ってこられた。まずは紙に書き出そう。こんな感じ↓

まず服装だが、冬なので2日着替えなくても大丈夫だと踏んで、バスで楽な締め付けがない、カジュアルめでヘアセットしなくても合う、という条件でコーディネートを考えた。もちろんかわいさに関しても手は抜かない。実際の服装についてはこの旅行を記録したVlogに写真が収録されているのでそちらを参照願いたい。

どうしても着替えたい・しっかりヘアセットしたい人はこんな記事を見ていないで常識的な旅行ガイドを参照されたし。

次に持ち物リストを作る。出発日にもツイートしたのだが、ここでのコツは持ち物をカテゴリー分けしてからリスト化することだ。特にこだわりがないなら、「必須持ち物」「ライブ用」「防寒」「ケア」「コーピング」「行きしなに買うもの」に分けるとよい。筆者が実際に作成したリストを以下にテキスト起こしする。

・必須持ち物

財布、携帯、バッテリー、ケーブル、薬、パスモ、イヤホン

・ライブ用

チケット、手帳、インクが出やすいペン、ブルーベリーサプリ

・防寒

ブランケット、ビーニー、レッグウォーマー

・ケア

パック、クレンジングシート、メイク道具、アイマスク、香りもの、リップクリーム

・コーピング

本(自分が所有しているもの)、アクセサリー、ポーチ、飴、チョコ、替芯、ぬいぐるみマスコット

・行きしなに買うもの

お茶、軽食

「必須持ち物」は見ての通り、出掛けるときに絶対必要なものだ。上着のポケットに入れっぱなしにしているため書き漏らしてしまったが、家の鍵も100%必要なので忘れないように。常用している薬がある人は余裕を持って4日分くらい持っていこう。

「ライブ用」は主目的の用事で必要になるものを書く。場合によっては双眼鏡とかが入る。

「防寒」は主にバスで必要そうなものだ。ブランケットは、バスに確実にあるなら持っていかなくてもいいかもしれない。レッグウォーマーは持ち物として書いてあるが、往路は家から履いていった。

「ケア」はスキンケアと身だしなみに関するものを入れる。今回は現地で入浴施設を利用する予定もなかったので、ヘアブラシやオイルは削った。

「コーピング」は、内容を見るとわかるかもしれないが、精神を安定させるためのもの、あると安心なものを入れる。紛失するとことなので図書館の本は持っていかない。アクセサリーはライブ前後だけつけて、あとの時間はしまっておくと快適。そのためにポーチは必須。書いてないがぬいぐるみマスコットをつけたアクスタポーチを持っていっていた。旅先でのご飯写真に写せるぬいとかアクリルがあると楽しい。

「行きしなに買うもの」は主に食料だ。筆者は全旅程をペットボトル一本でもたせて途中で買わなくていいようにしたかったので、傷みにくい緑茶を選んだ。また、よくバズってるのでみんな知ってると思うが、バスに乗る前に餅を食べると尿意を起こしにくくなったりするらしいので、それを念頭に置いて、乗る直前か乗ってすぐに食べるものを選んだ。

カテゴリー分けすると持ち物を見通しやすくなるので忘れ物が減る気がするが、どのカテゴリーにも入らなさそうなものを忘れやすくなりそうなので気をつけたい。どこに入れればいいかわからなくなったら必須に入れる、など決めておくといい。

最後に、家を放置して大丈夫な状態に整える。筆者は実家暮らしかつ他の家族と寝室が共同なので、自分のスペース周りの服や使っていない本などを片付けて、できるだけ持ち物を小さくまとめるだけで済んだ。自室がある場合は長時間放置してはまずいゴミや食器などをなくす、一人暮らしや全員が家を開ける場合は浴槽を洗っておく、キッチンを片付ける、ガスの元栓を閉める、戸締まりを確認するなどが必要だろう。これもリスト化する(作業が多い場合は部屋ごとに分ける)といいと思う。

ここまでやればだいたい大丈夫そうだ! 結びに、今回の実際の旅程を大まかに記録しておく。

2/23(日)

11時ごろ、荷造りを始める。

18時過ぎに家を出て池袋に向かう。フォロワーが来てくれたので、サンシャインシティ近くのコメダで23時まで過ごし、バス乗り場まで送ってもらった(本当にありがとう)。

23:40のバスに乗車し、薬を飲んで寝る体勢に入る。冷たいのが嫌だなと思ってパックはしなかった。コンセントがなかったので、午前は充電できる場所で過ごすことに決める。うとうとしたりツイッターを見たり、音楽を聴いたりして過ごす。ちょっと前の邦ロックとかを聴くとエモいのでおすすめ。

2/24(月祝)

8:20ごろ梅田に到着。近くに24時間営業の居酒屋があり、目星をつけていたので、そこで朝食。お茶漬けに合わせて2杯飲む。10時に追い出されたのでジャンカラに向かう。半額クーポンで昼フリータイムが670円だった。16時頃まで声出しを兼ねて、特にアンジェラ・アキ「手紙~拝啓十五の君へ~」を何回も歌って気持ちを入れていく。

退店し、40分くらい歩いて会場のグランキューブ大阪へ。堂島大橋近くのスーパーで軽食を買う。目当てのM-1ツアーは18:30開演で、たぶん90分くらいの予定が、終演したときには20:25くらいだった。真空ジェシカとヤーレンズはもちろん、前説も押してた気がする。

帰りも40分くらい歩く。新福島あたりを通るルート(適当に歩いてた)で、途中で見つけた大阪王将に吸い込まれ、食事。バスは余裕のある時間を予約していたので、大阪王将に寄ったことでちょうどいい時間になった。

バス乗り場で恥も外聞もなくクレンジングからのパック、レッグウォーマーを履く。22:20のバスに乗って薬を飲む。往路は使わなかったブランケットを膝にかけ、コンセントもあるので携帯を充電する。そのまま寝たっぽく気づくと4時になっている。

2/25(火)

6:20新宿着の予定だったが、6:05ごろにはバスタ新宿に着いていた。駅構内で荷物の整理などをして時間を潰し、6:45開店のベローチェに向かう。モーニングを食べて10時まで過ごし、退店間際にVlogを撮ってみようと思い立つ。カメラを回しながらわかものハローワークに向かう。学生だったらここじゃないよ! と言われて少し離れた新卒応援ハローワークへ。40分ほど相談し、帰宅。

@s44they
未来を、未来を、信じるよ